「あなたの民は私の民、あなたの神は私の神です。」 ルツ記1:16
メッセージ題 「主に従った者たちの姿」
ユダヤ人であるナオミとその家族は、飢饉のためにモアブの地へ移ります。その地で2人の息子は、それぞれ結婚するのですが、やがて夫も息子2人も死んでしまいます。ナオミと嫁2人だけが残ってしまい、ナオミは一人で故郷へ戻ることを考えます。しかし2人の嫁はナオミに従うことを主張します。それでもナオミは嫁たちの幸せを考え、モアブに残って再婚するようにすすめます。そこで一人の嫁は涙のうちに別れを告げますが、もう一人の嫁だけはナオミと共に生きることをあきらめようとはしません。その嫁が、ルツです。 故郷に帰ったナオミは、町の人々に「もうナオミ(喜びの意)」とは呼ばず、マラ(苦しみの意)と呼んでください」と言います。ボロボロになったナオミとルツですが、実はやがてルツに素晴らしい再婚相手が与えられ、喜びの生活がやって来るのでした。 喜びは、それだけではありません。ルツと再婚相手ボアズの子孫からダビデが生まれ、その子孫からイエス様が誕生されたのです。これはマタイの系図にしっかりと書かれています。 ナオミやルツに対して神様は、目に見える祝福を与えるだけでなく、世界で最も幸せな者としてくださいました。誰がこんなことを想像できたでしょう。 今日はハリー檜垣さんの88歳のお誕生日をお祝いしました。教会の最初からのメンバーであるハリーさんの米寿をお祝いできたことは、私たちの喜びでありました。ハリーさんの生涯を思うならば、悲しみと痛みの連続であったということになるでしょう。日系人として差別され、特に第二次世界大戦では多くの迫害に遭われました。また、家族のことにおいても痛みをかかえ、様々な面において苦労の連続でありました。しかし神様は、戦争の中で結婚へと導き、それによってキリストの救いへと導き、家族もビジネスも祝してくださいました。また多くの労をとってくださったこの教会も、こうして祝福のうちに導かれています。 困難の只中にいると、苦しみだけしか見えません。しかし神様は、恥を恥だけで終わらせるお方ではありません。痛みを痛みだけ、悲しみを悲しみだけで終わらせることはしないのです。主に従う者には、永遠の祝福が待っています。
ペニンスラ・フリーメソジスト教会 牧師 榊原 宣行
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