☆空想代理日記☆
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昨日は天候も優れていて、静かで、穏やかな1日だった。という歯の浮くような文章もすらすらと書ける1日でもあった。
そして昨日は友人である『人生黒帯』君と限りなくドライブに近い徘徊をおこなった。
「はあ、将来、念力少女みたいな娘がほしいよ」
人生黒帯君は頭のなかで爆竹が炸裂したようなことを言っていたが、鼻くそをほじりながらであったし、ほじったあとはゆっくりとハンドルになすりつけていた。
不逞者はいつもように幽体離脱さながらにだらだらと座っていた。もちろん、人生黒帯君の言葉には返事もしなかった。
ふと、ダッシュボードに眼をやると、肌色のかたまりが視えた。何気ない気持ちで手にとると、なんとそれはハムだった。
「もしそれが、松阪牛の心臓だったらどうする? いや、もしそれが今後の人生を上下左右するような秘宝だったら……」
その後も「もし……、もし……」と狂ったように続けていた。
それを遮るように不逞者は、なぜ「もしもし」しつこいのかを問い質した。すると、12月12日は「if」の日だからと胸を張って言った。どうしようもないとはこういことである。
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