index about update mail

 ☆ この日記は作者、出版社ともに非公認の二次創作物です。
 ☆ 閲覧される場合は、「about」をご覧ください。また、同好の方以外には、非公開となっております。
   リンクを貼ってくださる場合は、「about」のリンクについてをご参照ください。
 ☆ キリバンは特に定めていませんが、それらしい数字に当たった方で何かリクエストがあれば、上記バーのmailから、お気軽にご連絡ください。


 notice


  ◆更新◆
   イエイガー・マイスター    現在2)


    *拍手返信*
   返信
  

 2015/10/23の拍手の方へ
  4並び踏みのご報告、謝謝
  もし、まだこちらに
  来ていただけているのなら
  キリバンリクエストを
  お待ちしています


 最近の更新

 イエイガーマイスター
 現在 2) 20/10/21 New!
 現在 1) 20/10/21
 過去 4) 20/10/21
 過去 3) 20/10/21
 過去 2) 20/10/4
 過去 1) 20/9/15
 プロローグ 20/9/1

 お婿にいった四+カカのお話
 「ぶる~む~ん」は
 「無月の浪」さまサイトで
 公開中。
 「無月の浪」さまはこちら



MENU


  hors-d'oeuvre
 -過去の拍手お礼SS-
  春雨-2話
  桜宵-4話
  テン子シリーズ
  カカシとテン子のど~でもいいヒトコマ


  a sirial -暗部なテンカカ話-

  あんしゃんて-9話
  二人の出会い

  びとぅぃーん・ざ・しーつ-12話
  二人の“初めて”または物語の始まり
  ぱすてぃす~前章
-18禁-
  ぱすてぃす
  びとぅーん・ざ・しーつのその後
  ぱすてぃす~後朝 -18禁-

  猩々   おまけ -18禁-
  モジモジしている二人の一歩
  マラスキーノ 後日談
 ホワイトデー話

  らすてぃ・ねーる-12話
 ※4 に、テンカカ以外の絡みあり
  任務に出た二人
  カカシの過去を垣間見る

  恋女   後顧   おまけ
  ストーカー被害に合うテンゾウと
  嫉妬な先輩


  九夜十日
  イタチ里抜けのとき

  百年の恵み
  長期任務の小隊長を命じられるテン
  百年の孤独-6話
  初めての遠距離恋愛なテンカカ
  たーにんぐ・ぽいんと-8話
    テンゾウの帰還

   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
 テンゾウは……

 【1部】 だーてぃ・まざー-4話
 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

  あふろでぃーて-5話 -キリリク話-
 くるみ


  a`la carte
  -暗部なテンカカとヤマカカの間話-

  春霞-4話
  暗部を離れたカカシとテンゾウ
  ちぇい・べっく
 -可愛いお嬢さん-
4話
  ※2,3に、ごく軽くテンゾウ女体変化あり
  久しぶりのカカシとの任務
  聖牛の酒-3話
  波の国任務の少しあと
  てぃままん-3話
  波の国と中忍試験の間

  月読-5話 -キリリク話-
 月読の術に倒れたカカシを心配しつつ、
 イルカ先生の存在が気になるテンゾウ

  月読 後日談


  テキーラサンライズ-19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
  惚れ直すテンゾウ
 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
 du chef
-ヤマカカな話-

  再会-Reunion-  第二部





拍手お返事は上記返信にて
 
あぺりてぃふ
ごはん

  何かありましたら下記から。
  個別お返事をご希望の場合はアドレス
  を明記ください。


ごはんにメイル


2020年09月15日(火)
イエイガーマイスター/ハンターの守護聖人~過去 1)


「最初は悪性の風邪と思われていたのだが、それにしてはいささか、病状が重すぎるのじゃ。死者も出ておるようでな。もちろん、風邪とても侮れば重篤になりはするが、それにしてはいささか……」
三代目火影はそう言った。
「そもそも我々が風邪と称する病のもともとなる菌にもいろいろ種類があるのじゃ。それは知っておろう?」
「はい。鼻腔や咽頭の炎症を引き起こすものが、いく種類もあると」
「うむ。風邪のもととなっている菌も生きもの故、己が生き延びるため変容するのじゃが、時に大きく変容して人にとって大きな脅威となる場合があるのじゃ」
「生き延びるため、ですか……まるで意志を持っているかのようですね」
 思わずという形で言葉を返したカカシに、三代目は肯いた。

「人間の持つ意志とは、理が異なりはするが。菌にも人とは異なるが、遺伝子がある」
三代目の言葉に、カカシははっとした。テンゾウのことを思ったのだ。
「調べてくれぬか? 菌の意思であれば、仕方あるまい。すでに医療班が対応の研究をしておる、が」
「もし、ひとの意志が関わっているとしたら」
「今はまだ、その証拠はない。だから、おぬしに密かに頼むのだ」
「頼む、など」
「いや、これは公式の命ではない。公式に命を出すと、他里との間に軋轢も生じよう、故に」
「承知。これより密かに、任務に赴きます」

「ってわけなんだよね」と言ったカカシに虎面は首を傾げた。
「意味がわからないのだが」
「そもそもが、理解しがたいことなんだけど」
鳥面がテンゾウを見た。

「遺伝子、というのなら、ありえます」
テンゾウの答えに、鳥面と虎面が、顔を見合わせた。
「遺伝子の権威である猫面が言うのだから、あるんだろうな」
うんうん、と肯く二人に、テンゾウが「遺伝子の権威って」と呟く。
「権威だろうが」
鳥面と虎面の声がユニゾンになった。

カカシはこのやり取りを笑みを浮かべて眺めていた。
幾度かの小さな、とはいえそれなりに重要事項を扱う任務を経て、二人はテンゾウのことを信頼するに至った。
小さな、というのは、カカシ班のみの単独だった、という意味だ。半分は、テンゾウの能力の監視も兼ねていたことは、テンゾウ自身は知らない。
そんな時を経て、鳥面と虎面はテンゾウを受け入れた。だからいま、テンゾウを特別扱いすることなく、と言って、無神経に扱うこともなく、適度な緊張をもって接している。
そしてさりげなく、テンゾウでなければ対処しえない事態も起こりうるのだと注意を喚起してもいるのだ。

「人間の意志が関わっているのか、遺伝子の意思か」
虎面が呟いた。
「遺伝子の意思なら、人間の介入する余地はないな」
「だから、それを調べなくてはならない、んだよ」
「ひとの意志か、それは難しい」

「でも人間の意志だとしたら、ちょっと早すぎるような気が」
首を傾げるテンゾウに、
「早すぎる?」
と鳥面と虎面が食らいついた。実はカカシも食らいつきそうになって、あわてて控えた。自分までもが食らいついたら、テンゾウは委縮してしまうかもしれないと思ったのだ。

「や、その」とテンゾウは後ずさりながら、「ボクの経験上の話なので、普遍化するのはどうかと思うのですが」
と言葉を継いだ。うんうん、と二人はさらにテンゾウに詰め寄って肯く。カカシも心境としては迫っていきたいところだが、そこは余裕をもって見守っている、という体でいる。

テンゾウは二人から一歩引き、一息ついてから語った。
「人間の場合、遺伝子を操作するにも、その目的があります、たとえば、ボクのように特殊な忍術を使うことができる忍を育成するといったような」
二人はまた無言で肯く。テンゾウは苦笑して、続ける。
「その場合、遺伝子のどの部分を操作するのか、とか、操作するとして、いかなる操作をするのか、とか。当然失敗もあります、操作した遺伝子が、当初の目的を果たさなかった場合も少なからずあります」
遠くに目をやるテンゾウに、三人は顔を見合わせた。テンゾウを救ったときの研究所には、“失敗作”の残骸がたくさんあった。
そうだ、そうやって生き残ったのが、テンゾウだったのだと。

「それを鑑みるに、今回は、早いです、多分、遺伝子の意思ですね。たまたま強力な遺伝子が出来たが故の」

シンと無言を保つ二人とカカシにテンゾウは目を移す。
「でも、それを広めたところには、人の意志を感じます、でなければ、こう短期間に広まったりしません」
と言い切ってから、テンゾウは「と、ボクは思います」と付け加えた。