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 お婿にいった四+カカのお話
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   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
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 【Epilogue】 そして、恋

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  月読-5話 -キリリク話-
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  月読 後日談


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 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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2007年10月27日(土)
てぃままん 2


「なんですか?」
あくまでも冷静な声で答えるテンゾウの眼差しは、冷徹な観察者のままだ。
カカシが、時にこの視線に欲情することをテンゾウは知っている。
戦いの場では決して屈することのない男が、唯一、膝を折り頭を垂れるごとく、従う。
決してカカシを従えたいわけではない。でも、すべてを委ね明け渡してくれることが、テンゾウは嬉しい。

それとは別に――ここしばらくのカカシは少し、おかしい。
もともと快楽には正直な男だが、こんなふうに夜毎求めてくるようなことはなかった。
たまの逢瀬に貪欲になるというのならわかる。
しかし、決して短くはない二人の付き合いのなかでも例の少ない、穏やかな安定した時間を過ごしているのに、だ。

――たぶん、何か……近いうちに何か……。
おそらくカカシ本人にも説明のつかない、言ってみれば予感めいた感覚のせいなのだろう。
だから、自分でも「変」と認め、不安なのかという問いにも答をはぐらかしはしたが、否定しなかった。
実際、このところカカシは下忍指導とその任務監督の合間を縫って、ひそかに写輪眼のさらなる可能性を探っているらしい。
もちろん、部下のうちはサスケが、未熟ながら写輪眼を開眼したことと関係しているのだろう。
だが、それだけがカカシを駆り立てているとは、思えない。

サスケが写輪眼を開眼したのは、戦闘のさなか、うずまきナルトを守ろうとしてのことと聞く。
そしてテンゾウは、思い出した。
己の写輪眼の由来について堅く口を閉ざしているカカシが、以前、ポロリと口にした言葉。
写輪眼などなくてもカカシの能力は頭抜けている。
そんなものに頼らずとも、充分、上忍として通用するのになぜ、と問いかけた、それが答えだった。
「オビトは、オレを守ろうとしたんだ。この眼は、そういう意志を継ぐ眼なんだと思う」

日向一族の白眼と、源流は同じとされるのに開眼の困難な写輪眼の鍵がそこにあるのだとしたら。
カカシは、その鍵を探ろうとしているのかもしれない。
おそらくは、写輪眼の正統なる持ち主たるサスケのために。

そう考えて、テンゾウは再び、首をかしげる。ほんとうに、それだけなのだろうか。
――もしかしたら。

己の不安を打ち消すように、テンゾウはカカシの骨太な身体を抱きこんだ。
不安はある、いつだって。それでも、自分たちは忍だ。覚悟なく、恋に溺れはしない。
――カカシさん……。
肉の堅さとは異なる、これほどしっかしした骨格の堅さを、テンゾウはほかには知らない。
触れただけでは感知できない芯の通った堅さは、カカシの性格そのもののように思える。
だから、腕のなかに抱きこんで、確かめずにはいられないのだ。
どんなに快楽に溺れても、決して溶けてしまうことのない“それ”がテンゾウは好きだった。
“それ”は、カカシの忍としての矜持なのかもしれないし、彼自身の本来の生真面目さなのかもしれない。
あるいは、積み重ねてきた人生がもたらした経験だろうか、と思うこともある。

カカシに言わせると、「ほんと、テンゾウってすくすくとまっすっぐ育った大木みたいだよね」なのだそうだ。
「しっかり大地に根を張って、どんな雨風も受け流して、すくっと立ってる感じがする」
そう言われたのは、まだカカシが暗部にいたころのことだ。
それが自分に相応しいという実感はテンゾウにはないが、カカシが自分をそう見ていてくれることは嬉しいと感じた。そしてカカシの評価は、どうやらいまでも変わっていないらしい。いい加減、すれてきた自分に、それはどうか、と思う。だから、面映くてならないのだが。
こんな自分を、カカシは今でもいとおしんでくれているのは知っている。
決して「好き」とも、ましてや「愛している」とも言わないカカシが、どれほど自分を恋うてくれているのかも。

暗部を離れて久しいカカシと、暗部のなかでもベテランと呼ばれるようになったテンゾウが連れ立っていると、顔見知りは、一瞬、眩しいものでも見たような表情を浮かべる。
それから、「へえ、おまえら、まだ続いているのか」と笑う。
まだ……そう、まだ、続いているのだ。
とっくに切れてもおかしくないのに、まだ続いていることの意味を、彼らは知っている。
だから、笑う。だから、そうやってからかってくる。

玻璃の冷たさと堅さと脆さを残していたかつてのカカシも好きだった。
抜き身の鋭さを内に秘め、陽だまりの猫のように目を細めている今のカカシも好きだ。
そして、そんなカカシの変遷を自分はずっと見てきたのだと思うと、なぜか誇らしい気持ちになった。

「テンゾウ」
焦れたような掠れた声が、再び、名を呼ぶ。
どこか焦点の合わない目がテンゾウを捕らえ、強請るような視線を向けてくる。
その目がテンゾウのオスを刺激する。
「欲しいですか?」
務めて冷静に問うと、カカシがふっと目を細め笑みを浮かべた。
欲しいものが与えられる予感に悦んだのか、あるいは、そんなふうに確かめてみるテンゾウを微笑ましく思ったのか。

「欲しい、ちょーだい」

己を突き入れた瞬間、カカシの身体が反り返った。
強く閉ざされた瞼と、噛み締められた唇は、まるで抵抗してでもいるかのようだ。
なのに、カカシの下肢はテンゾウの背に絡められ、見ようによってはテンゾウのほうが拘束されているとも見える。
初めて会った、乾いた地での戦闘のなか――あのとき、自分は捕まったのだ。
「カカシさん? 気持ちいいですか?」
コクコクと肯定に揺れる頭と一緒に、銀の髪も揺れる。
いつ、何が起こっても、後悔だけはせずにすむように。
テンゾウは、ただカカシの身体を貪るべく、理性を遮断した。