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 お婿にいった四+カカのお話
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  イタチ里抜けのとき

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  初めての遠距離恋愛なテンカカ
  たーにんぐ・ぽいんと-8話
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   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

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  春霞-4話
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4話
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  波の国任務の少しあと
  てぃままん-3話
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  月読-5話 -キリリク話-
 月読の術に倒れたカカシを心配しつつ、
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

  再会-Reunion-  第二部





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2007年05月10日(木)
月読 1)

「交替です」
小隊のリーダーが、ボクのところにやってくる。
「変わりはない」
ボクの言葉に、彼が頷く。
「里からも特に……」
彼の言葉に、今度はボクが頷く。
「便りのないのは無事な証拠」という言葉を噛み締めながら。

大蛇丸による木の葉崩しに里が壊滅の危機に瀕していたときも、ボクはここ、ちょうど雲隠れと草隠れの両里から等距離に位置する国境にいた。

国境警備は、里の草創期から続く火の国との契約に基づいている。
そして平和時のそれは、暗部にとって新人訓練の場となっていた。
街道筋を守る軍隊の目の届かぬ険しい山間は、忍にとって格好の侵入場所となる。
もし自分たちが、ここから他国に侵入するならどうするか。
逆に、他国から火の国に侵入しようと考える者はどうするか。
さまざまなシミュレーションを行い、演習を行う。
が、戦時中ならいざ知らず、実際には退屈きわまりない任務でもある。
だからこそ、訓練となる。いついかなるときも緊張を保ち、瞬時に状況を判断するという、忍にとって最も必要な資質を磨き、鍛え上げるのに相応しい。
しかし、今回に限り、国境警備はいきなり第一級の重要任務に格上げされた。
というのも、大蛇丸が草隠れの忍を装って木の葉の里に侵入し、中忍試験に現れたからだ。
こんな先の読めない、あるいは何通りもの読み方が考えられる不安定な状況のなか、里を離れる任務にはつきたくなかった。
「こういう時期だから、おぬしに頼むのじゃ」
厳しい相貌で三代目に告げられたから、ボクは本音を面に隠した。
今思うと、暗部の手だれを分割し、火の国と他国との国境の守りに当てたのは、リスク分散のためだったのだと思い当たる。
もし、あのとき里にいたら、と思ったのは、ボクだけではないだろう。
しかし、だからこそ、砂の里と音の里からの忍の侵入を多少なりとも食い止めることができたのだ。
里で応戦していた忍たちからすれば、「あれでも?」と言われるのは承知のうえ。どちらも規模こそ、木の葉には及ばないものの、精鋭揃い。しかも、いままで友好関係を保っていた砂の里と、実態の掴みきれない音の里相手だ。今すぐ、里に駆けつけ、自分たちも応戦したい。
けれど、ボクらにできることは、里に常駐している仲間を信じ、与えられた任務をまっとうすることだけだった。
そして、受け取った知らせは……いや、それはもういい。
里は、深い痛手を被ったものの、壊滅はしなかったのだ。それでいいじゃないか。
ボクは自分に、そう言い聞かせた。
そして、あのひとに何かあった、という知らせのないことには、安堵もしていた。
ちょうど中忍試験本戦の最中だったから、里にいたはずだ。
他国から本戦を見に来た要人や一般人、下忍たちを背に先輩が無茶をしていないか、心配だったのだ。

里を発つ直前、うちはサスケの修行を見ていた先輩に会いに行った。
疲れてもいたようだし大蛇丸の出現には珍しく焦燥感さえ抱いていたようだが、部下の成長はそれとは別に、先輩に喜びをもたらしているのが伝わってきた。
「おまえを、オレの隊に譲り受けたときのことを思い出すよ」
必殺技を伝授され四苦八苦している少年の姿に目を細めながら、そんなことを言っていたのを思い出す。
「アカデミーでは成績優秀、けれど無愛想で協調性のない子、って聞いてたけど、可愛いもんだ」
それは、ボクへの当てこすりだろうかと、先輩の弓形の目を見ると案の定、
「おまえ、もっと無愛想でもっと人付きあいが苦手だったものね」
と言われた。
「それがこうやって大人になってるんだもの。サスケは大丈夫。たとえ呪印があっても、ね」
でも、先輩、ボクは十羽一からげの実験体でしたが、あの子はいわば選ばれた者、ボクとは違いますよ、という言葉を、結局は呑み込んだ。
そんなことは先輩が、いちばん分かっている。
「薬師カブトの件では、部下たちが不甲斐なくてすみません」
代わりにボクは謝罪した。サスケの警備についていた暗部が、ことごとく倒された。おそらく油断もあったのだろうが、こんなことではいけないとボクは危機感を募らせてもいた。
「いや、こっちこそ。悪かったね。大事な部下を何人も……」
ああ、先輩は、いつまでたっても先輩だ。ここ数年、上に立つばかりのボクは、先輩の言葉に不覚にも言葉を詰まらせてしまう。が、再び口を開く前に、
「カカシ!」
と、幼い声が先輩を呼んだ。
上司でもある師を呼び捨てにする少年の青さを微笑ましく思いながら、ボクは姿を消した。
彼が振り返ったそこにいるのは先輩だけ。暗部と隠密裏に言葉を交わしている姿など、見せてはいけない。
しばらく国境警備に着くことは告げていた。それがボクの用件で、あとはただ先輩の姿を見ていたかっただけだから。

「里から伝令が!」
走ってきた部下の言葉に、ボクは追憶から引き戻された。
「はたけ上忍が、倒れたそうです」
ボクと小隊のリーダーは、顔を見合わせた。カカシさんを直接知るボクらにとって、先輩が倒れるのはいつものこと、「またチャクラ切れ?」との想いと「そんなことのために伝令が?」の意味をこめて、視線を交わす。
が、交替のために集まってきていた小隊のメンバーはにわかにざわついた。
あの、写輪眼のカカシが? いったい、何が? という声が聞こえる。
伝聞でしか先輩を知らない若手の暗部にとって、はたけカカシというのは一種の幻想――つまり里の安全を象徴する存在なのだろう。
「うちはイタチほか1名の忍と交戦した模様」
……続く言葉に、今度はボクら古株が戦慄した。
うちはイタチによる一族の殺戮は、今回の大蛇丸による木の葉崩しが起こるまで、九尾以後の木の葉における最大の悲劇と呼ばれていた。
そして、若干13歳で暗部の分隊長を務めていた同僚の起こした事件という意味で、当時、暗部に属していた者たちはみな、それぞれ思うものがあった。
なんとかするすべはなかったのか。
いったい、何がまだ年若い彼にそこまでの決断をさせたのか。
あの一族の結束力と閉鎖性がなければ。
変わり者の多い暗部のなかでも異色だった彼のことをもう少し気にかけていれば。
数々の嘆きは、結局、ことが終わってからの詮ない繰言だ。
「イタチほか1名は、暁と名乗っており」
――暁だと! 大蛇丸が一時、属していたという?
思わず気配を尖らせてしまったボクに部下がシンと静まり返る。
「うずまきナルトの拉致を画策するも、はたけ上忍をはじめとする上忍数名および自来也さまの応戦により果たせず。その後、消息を断ったとのことです」
膨れ上がりそうになる殺気をどうにか鎮めて、ボクは口を開いた。
「負傷したのは、はたけ上忍だけか?」
「はい。いえ、はたけ上忍も負傷したのではなく、特殊な術にかかった模様」
あの先輩がかかるほどの術?
いや、でも相手があのうちはイタチなら。暗部配属となったときに既に一族の眼を開眼させていた彼なら。
「どんな術か、わかるか?」
「詳細は不明ですが、一種の精神攻撃のようです」
特殊な幻術だろうが、先輩が解けないほど強力なら、幻術と言うよりも呪に近い術だろう。
「わかった」
それからさらに、イタチほか1名の姿形、特徴などを確認し、警備についている者全員に式を飛ばした。
――万が一見かけた場合は即刻、報告せよ。攻撃、捕獲の必要はなし。
戦って勝てるかどうかは微妙だ。それよりも、ここは情報収集が最優先事項だろう。
「尚、今回の件は里では隠密裏に処理され、表沙汰にはなっていません。上忍と暗部にのみ、情報が伝達されました」

ボクが里に戻ったのは、それからしばらくしてからのことだった。