うす暗い昭和のお庭八つ手が茂るその横に水色をしたアジサイがそこだけぼんやり さびしげで根元のあたりの影の中まだそこにある母の面影薄い背中でしゃがんでた散った茶色いサツキの花びらひとつ ふたつ拾ってたこれから また雨降りの季節が やってきますにぎった母の腕は皮膚がうすくしっとりとしていた梅雨の初めの朝の空気のように