カゼノトオリミチ
もくじ|過去|未来
彼女は言う だれも私のことなどわからない
鏡の向こうの彼女は言う
私がどれだけ大変か だれもわかってくれない
鏡と鏡が作り出す その向こう側の彼女は言う
あなた
自分が世の中で 一番ツライと思ってるの?
その彼女を映した 鏡のその奥の彼女は言う
翼がほしいんでしょう? どこへ飛んでいくつもり?
砂浜には誰もいない 何をしに、どこへいくの?
彼女たちは言う
夢の中で泣くよりも 土に種を蒔きなさい
私たちは言う
それから 一日の終わりに
金色のビールを飲みましょう
それがいい アカネの風に吹かれて
それがいい
natu
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