糸色は細く長いココロの迷路からいつかのキオク鼻の先へふわりたぐりよせよびさますピピピと空に浅い春のトリが鳴きひと刺し朱色の糸を手繰れば南天の実のなる路地裏へ草色の糸には空き地で遊ぶランドセルが見え隠れこの午後ここにいるワタシとキオクの中にまだ棲む日々とを針の先の色糸はひと刺しひと刺し行ったり来たりゆっくりゆっくり時間旅行