風がゴーゴー吹いてます。 台風が近づいている… そんな緊張感溢れる暗闇に妙な懐かしさを覚えるほど、もう猛暑日に飽き飽きしていたのです。 台風は秋を連れて来てくれるでしょうか? 紙風船を掌でぽんぽんしながら いえね、これは頂いたものなんですけど… 封筒にこっそりしのばせてあったのですけれど そういえば、遠い遠い日、我が家は小さな旅館を営んでいて、年に数度、富山の薬売りのおじさんがやって来たものでした。 おじさんはいつもちょっとした子ども向けの贈り物を背負った荷物にしのばせていて、 わたしもおじさんから紙風船をよく貰ったものでした。 きっと薬の広告が印刷されていたのでしょうか、薄いパシャパシャした紙に一帯何が印刷されていたのか、緑や赤の線画だったようなおぼろな記憶しかありません。 封筒にこっそり入っていた紙風船、 こどもの頃のようにふくらませて ゴーゴー吹いている夜の風に 乗せるように飛ばしてみたら もしかして盛岡の友だちんちまで飛んでいけたりして… そんなことをつらつら書いていたら ぜーんぜん関係ないけど 「ムーミンパパ 海へ行く」が読みたくなりました。 灯台のある島へ向けて 夜の海へ小さな船で漕ぎ出すムーミン一家 台風を待っている今夜の緊張感が なんだかあの物語を思い出させたのでした。 今晩のデザートはミルクかんてんでした。
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