日々の泡

2008年08月01日(金) どろん

週末にはどこからか花火の音が響いてきて
雷か花火なのか耳をすます。
温度の高い夏には音の聞こえが速いはずだけれど
遠くで揚がっている花火とわたしの間にはたくさんの「何か」の存在を感じる。
たくさんの「何か」の気配を遠雷のような花火の音は一緒に運んでくる。
それは祭りの人々の気配だし
夜にうごめく虫や生き物の息づかいだし
もちろん見えない何かも混じっているんだと思う。
音はそんなものたちの「濃い」気配に少し歪んで聞こえてくる。
歪んで聞こえるのはわたしの耳だからかもしれない。
 朝には豊穣と感じるその音のゆがみ加減が
夜にはちょっと狂いそうな気がしてくる。
蛾の狂ったような飛び方の聖火
みっしりと重い湿度の聖火
狂いそうだなと思うんだ。
夜空に花火の咲く一瞬
夜空を花火が裂く一瞬
アセチレンの光の後ろ側
その時だけ
その場所にだけ
そこにある気配
いつも「何か」をスキャンせずにはいられないわたしの耳が
気配を察知しようとするわたしの皮膚が
何かをとらえようとフル回転すればするほど
頭は萎えてどろんと眠気がやって来るのです。
どろんとね…


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茉莉夏 [MAIL]