雑念だらけ
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しばらく不機嫌だった彼、口をきかなくなった。
とりあえず買い物を済ませて帰宅。
私はあれからずっと考えていた。
ちゃんと話してお互いに分かり合って別れるのが一番だ。 でも彼が別れ話に応じるとは考えられない。 下手に話すと刺激してしまいそうだ。 別れ話をしてからの一晩は恐怖だ。 それに、ナイフの件もある。
実は、もし私が逃げ出したりしたらあの時の言葉を実行するのでは、という恐怖もあった。 その反面、世間体を気にし、表に出たがらない彼がそういうことをするとも思えなかった。
が、 わからない。 人間、激高してしまうとわからない。
このままだと私はおかしくなりそうだった。 おとなしく暮らしていたら彼に殺されることはないかもしれない、 でも私は人間じゃなくなるかもしれない、 死んだほうがましかもしれない。
誰かと話がしたかった。 彼以外の誰かと。一度でいい。 「外界と接触したい」みたいな気持ちだった。 でも今の生活にはそんなチャンスは無い。
台所で片付けをしながら考えていた。 今彼には私の考えてることを悟られてはならない、と思いながら。
部屋で机が蹴り上げられる音がした。
どうしたの
と声をかけたら
「また熱が出たんだよ・・・!」
38℃を越していた。 机を蹴り続ける彼。
「どうにかしてくれよ・・・! すぐに熱下げろよ!!ちくしょう・・・」
救急に行くか、と尋ねた
「そんな目立つのはイヤだよ・・・お金もかかるよ・・・誰が払うんだよ」
じゃあ、これしかないよ、と解熱剤を出した。 それを手に取り
「すぐに下がるんだろうな・・・」
わかんないけど飲まないよりマシよ
「・・・お前のせいだ・・・俺が病気になるのは全部お前が悪いからだ・・・お前のせいで俺は死ぬんだ・・・」
呪文のように唸る彼。
その夜は、明かりをつけたまま唸って机を蹴っていた。 お前のせいだ、俺は死ぬんだ、と。 眠れなかった。
私は、今しかないかも・・・と毛布の中でこっそり友人にメールをした。 唯一、私の事情をあれこれ知っている友達。
《ヨウですお久しぶりです。 近いうちに一度電話で話がしたいんだけどいいかな?》
サイレントに設定した携帯にすぐ返事がきた。
《明日いいよ。 久しぶりだね、その時詳しく聞くね。たぶん大変なんだと思うから。 これもこっそり、でしょ、きっと。》
《ありがとう明日の午後》
明日は仕事を早退しよう、と決めた。
私の時間が少し動き出したような気がした。
メールは受け取っておりません。すみません。
[LINK]
「モラル・ハラスメント被害者同盟」
モラハラで苦しむ方々へのメッセージや皆さんの体験談があり
私の心の支えとなりました。
ヨウ
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