日記
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2010年01月12日(火) 大草原の小さな家・1

だらけモード突入で何にハマっていたかと言えば、かの「大草原の小さな家」
シリーズでした。

子どもの頃読んだ時には、美味しそうな食事風景や、雄大な大自然と共に生きる
生活に胸を踊らせるだけでしたが、当時の時代背景を踏まえた大人の目線で
読み直してみると、物語の描写のあちこちから色々なものが垣間見えてきます。


例えば、ローラの一家が「大きな森」からインディアンテリトリーに旅立つ朝の描写。
おじいちゃん、おばあちゃん初め、親戚が冬の早朝に見送りに来てくれます。
当時の通信事情では、「あ、今日はここまで着いたよ〜。うん、元気元気」
なんて気軽にお互いの消息を伝えることもできません。
今の日本で言えば新幹線で何時間で着いてしまう距離を、道無き道を馬車で
何十日もかけて移動する時代です。
いとこや親戚はともかく(実際、この後何人かとは再会しています)、おじいちゃん、
おばあちゃんはこれが最後の別れ、生きて会うのはこれが最後という思いで
娘や孫たちを見送っていたかもしれません。

それとエドワーズさんです。
インディアンテリトリーで出会い、ローラとメアリィの為に、真冬の冷たい
雨風の中、往復60キロもの道のりを町まで往復し、増水したクリークを泳いで渡って
クリスマスプレゼントを届けてくれます。
子どもの時には何て良い人なんだ、と感動しておしまいだったのですが、
これってよく考えてみれば良い人で済む行動じゃないですよ(泣)……。

夏ならまだしも真冬の嵐です。
しかも往復6キロなら分かりますが、大草原の真っただ中を60キロ、それも
1人で歩いてですよ?
今の私からするとそれだけでも命がけのような話ですが、それにも増して
大雨で増水している川を泳いで渡るなんて(何度も言うようですが真冬の話です)
もはやほとんど自殺行為です。
誇張でも何でもなく生きてて良かった、という話です。

単なる隣人の為にこの人はどうしてここまで出来るんだろう、と思うのですが、
家族を持たずにずっと1人で生きて来たエドワーズさんにとって、ローラの
一家がもたらしてくれたぬくもりは、それだけの価値があるほど得難いもの
だったのかもしれませんね。

この後、インガルス一家は、エドワーズさんと「長い冬」で再会を果たすことに
なりますが、この時にエドワ−ズさんは何も言わずに20ドル札を盲目のメアリィ
の膝に置いて去って行きます。

当時の20ドルという金額が、今の紙幣価値に換算するとどの程度なのかはっきり
とは分からないのですが、ローラが先生をして1ヶ月に20ドル稼いだ、とうさんが
教会の工事で1日1ドル稼いでいる、といった描写があるので、だいたい20万円
くらいなんでしょうか??


更に同時に、今のように福祉の制度などが整備されていなかった(たぶん…)
時代、失明したメアリィがどのように生きてゆくのか、今の私たちが思う以上に
シビアなものがあったのでしょう。

実際にはメアリイはとうさんが亡くなったあとはかあさんと2人で暮らし、
かあさんが亡くなったあとは結婚していた妹のキャリーの家に身を寄せて、
そこで亡くなったそうです。
最期まで愛する家族と一緒に居られたことは幸いだったと思います。



長くなりましたので、いったん切ります(^ ^;)



なつき