はぐれ雲日記
DiaryINDEXpastwill


1999年03月27日(土) プロをめざして

今朝も5時半起き。 睡眠時間に関係無く起床。体内時計の正確なうれしさよ。
弁当3個。おにぎりにきんぴら、だいこんのみそ汁をちゃちゃっと用意。
簡単に掃除、洗濯を済ませると外へ行って 近所の野良ネコとしばし今日の予定について会議。

メールの返事を出勤前まで書きつづける。

さて、今日はと。患者さんの入浴日。きりりと緊張。
およそ、入院中、患者さんは
おいしい食事、快適な睡眠、気分の良い入浴は「あたりまえにして充分ヨシ条件」と考えているだろう。

頭にタオルを巻き、汗が目に入らないようにする。首にタオルをぎゅっぎゅっと巻く。
ナースシューズを長靴に履き替え、肉やのおっさんのようなでかくて長いゴムのエプロンを着用。長っ。
仲間ふたりと入浴介助。車椅子にからシャワーチエアに移動させる。
オムツをはずす。まずぬるめのお湯からかけて行き、体中に末梢から心臓に向かってシャワー。
最初、人肌ていどにしても「あ”〜〜!」と悲鳴をあげる患者さんも。「めんご!」

ようやく暖まると体中を入念に洗って行く。当然全面的な介助が必要。
いつもこぶしをかためているのでてのひらをひろげながら、わきの下、耳のうしろ
足の指の一本一本を。さらに最後に同僚に声をかけて患者さんをも持ち上げてもらい
ちょいと浮いたところで肛門をていねいに洗うのは必須。

きれいにせっけんを流したあと患者さんを抱きかかえてバスタブへ。
その間に次の患者さん。れれ、便をしている。手早く始末し、入念に洗う。
さきほどの患者さんを二人がかりで浴槽から引き上げる。
車椅子にバスタオルをしき、患者さんを「よいしょ!」と乗せる。

こんなことをえんえんと繰り返す。バスタブに入ってる患者さんのようす、表情を常にチェック
一時間経過。 腰と腕が痛くなってくる。体中汗だくでどろどろ。
たまりかねた同僚が「あ”あ~~暑い!!」と窓を開けた。
「だめだよぅ〜。われわれは暑くてもはだかんぼの患者さんは寒いんだからさ〜」と制止。

2時間経過。48名最後の患者さんのMさんが車椅子でご到着。ね、寝てる!。四肢硬直。老人性皮脂欠乏生のため、
体中が引っかき傷だらけで真っ赤。か、痒そうっ。
またまた同僚がためらいなくナイロンたわしで背中を流しはじめる。
「いやーん、それだめよん」あわてて手のひらに石鹸を少しとり泡立てて患者さんの体を
てのひらで洗ってゆく。なんかみたい(?)「あんの〜。”ナイロンたわし症候群”つ−のがあって皮膚科にけっこう
お年寄りの方が痒みや発赤でくるのよねえ。だからなるべくタオルかなんかで洗って・・・
アブラぎれおこしているんだからさ、ご老人は。石鹸も最小限にしないとさらに脂ぎれおこしちゃうんよ〜」

わたしもこういうことは「ヨーシャなく」注意する。でもでも
忙しければ忙しいほど元気で明るい声をはりあげるヘルパーさん。
汗だらけの笑顔。見ていて気持ちがいいんよ。
ん?ここは器械があるのに器械は使わず全部「人間」が介助する。
大変といっちゃ大変だけど、この病院のそういうところが気に行って入ったんだから・・・。

ひるめしどきも、同僚の話題は「いかにして患者さんを安全に入浴させるか」
「床が水びたしになるので滑って事故があったら大変なのに・・・・」「だれが拭くか!」
「床ずれ処置やら着替えやらオムツでそんなひまは看護婦にはないっ。」

ああっ、もう休み時間くらいチャンネルを変えてくれよ。 そこで男性看護師と病院ネタのとりあいっこで爆笑・
と、血相を変えた某ナースがわたしを「ちょっと」と別室へ誘い「ここも病棟のやりかた、おかしいですよね?!」
「変えていきましょうよ!○○さん!」 「ああ、そうね。でもやるべきことやって実績作ってからね」

午後からはバタバタと食事介助、点滴、処置、各種検査、補水、床ずれを作らないようにトランス(車椅子に移る)
入浴できない患者さんにベッド・バス。看護記録・・・・。

5時半をすぎて、なんとかコーヒーブレイク。 患者さん以上に患者さんらしい某医師やお約束の幽霊話。
やたらみんなでバカ笑いしてから帰る。

駅まではちょい足をひきづり気味。


鈍角 |MAIL

My追加