今年4月に小学校4年生になった上のチビ。小学校4年生になるや否や学校でテストがあったようです。4年生になってからの上のチビの目標はテストで見直すこと。これまで上のチビは小学校で受けたテストでケアレスミスが結構あったのですが、本人に確認してみると、内容が全くわからなかったミスではなく、見直していれば防ぐことができたミスが多いことがわかりました。せっかく問題の内容がわかっているのにケアレスミスで間違ってしまうのはもったいない。4年生に進級した時点で、この見直しを必ずするように注意しております。うまく親の言うことを聞いて、ケアレスミスを少しでも無くして欲しいものです。
さて、どんな仕事においても見直すことは大切だと思いますが、歯の治療においても同様です。僕は、短期的にも長期的にも自らの治療を見直すことを常としています。
短期的な一例として被せ歯を作る時を挙げたいと思います。僕は患者さんの被せ歯を作る際には、必ず仮歯をセットして様子を見ることにしています。被せ歯を作る場合、歯を削って歯型を取るわけですが、僕は歯を削って直ぐに歯型を取ることはめったにしません。必ず歯を削ってから仮歯を作り、次回以降に歯型を取るようにしているのです。 歯を削る時、僕は決して手を抜いているわけではなくきちんと削っているつもりです。ところが、時間を置いてみると、うまく削れなかったところ、修正しないといけないところ等が客観的に見えてくるものなのです。時間を置くことで熱くなった頭を冷やし、今一度冷静に見直すことができるとでも言うべきでしょうか?“急がば回れ”、“急いてはことを仕損じる”ではありませんが、見直すことをすることにより自分の至らなかったところを知ることができるのは非常に大きなことです。
長期的な見直しとして挙げたいのは、過去に作ったカルテや写真、レントゲン写真や模型の再確認です。どうしてこの患者さんは歯を失っていったのか?あの患者さんは健康な口の中を維持しているのか?決して教科書からは得られない生の情報が長期的な見直しによって貴重な情報として得ることができるのです。ただし、長期的な見直しには時間を要します。必要な資料を取り溜めておかないと検証できないからですが、それでも我慢強く根気強く集めていると、いろいろと興味深いことがわかってくるものです。
これら見直しを重ねることによって少しでも歯医者としての力量を高めていきたいなあと考えています。見直しをすることは自分の現在位置を冷静にみつめ、明日への糧へと導く道しるべだと信じています。 チビには見直し大切さを今から学んで自分のモノに欲しいですね。僕自身、そのことを常日頃から実践していくことで親として見本を示していきたいと考えています。何せ“子は親の背中を見て育つ”と言いますからね。
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