歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2008年03月25日(火) 酔っ払い歯医者とタクシー運転手との会話

先週末、地元歯科医師会仲間との呑み会があり参加してきました。呑み会が終わったのは既に11時をまわっておりました。予めアルコールを飲まなければいけないことがわかっていた僕は会場へは車では向かわず、最寄の駅から徒歩で出かけたのです。

この呑み会が終わった後、僕はタクシーで家に戻りました。タクシーの後部座席につき、行き先を告げ、一息ついたときでした。タクシーの運転手が声を掛けてきました。タクシーに乗ったことがある人なら誰しも経験することがある光景です。タクシーの運転手との会話は話が弾む時と、話もしたくないくらい時があるのですが、今回は前者でした。

今年の冬は厳しい冬だったという話からいつの間にか話題はスタッドレスタイヤへ移ったのです。

「今シーズンの冬は雪がたくさん降りましたから、スタッドレスタイヤが大活躍でしたよ。」
「スタッドレスタイヤの使用できるのはどれくらいの期間なのでしょう?」
「いろいろと話がありますが、大体2年〜4年と言われています。」
「一年通してつけているわけではないのにどうしてそんなに短いのでしょうね?」
「タイヤの材質によるらしいですよ。コンパウンドの材質の影響だそうですよ。例えるなら、歯ブラシとよく似ているのだそうですよ。」
「歯ブラシは使用していると毛先が徐々に広がっていくでしょう。最初のうちは毛が新しくきちんと歯に当たっているのですが、使用しているうちに徐々に毛が広がっていき、歯磨き効率が落ちていきます。それと一緒だそうです。スタッドレスタイヤは表面上問題なくても、使用しているうちに路面と設置している部分が消耗し、その結果、コンパウンドが伸びてしまい、接地効果が無くなってくるそうなのです。」

歯ブラシの例えに思わず身を乗り出して聞いてしまった、酔っ払い歯医者そうさん。
その後、僕が降りるまで歯磨き談義となってしまいました。

運転手が歯と歯の間に歯石が溜まって仕方がないという話をしたため、歯医者へ行くことを勧めました。
一度歯石を取ってもらってから歯石がたまらないようにするために、歯間ブラシがあることを教え、少なくとも一日一回使用することで歯石の溜まり方が随分変わることを教えてあげました。また、歯ブラシの交換を怠ると、歯ブラシの毛先に雑菌が繁殖し、歯磨きがかえって雑菌を撒き散らす結果となること、歯磨き粉の使用は控えめにすることなどを、わかりやすく説明してあげました。
その会話の陽気なこと!
酔っていたからで、後から思い起こせば恥ずかしいかぎりですが、

「お客さん、妙に歯ブラシのこと詳しいですね。もしかしたら歯医者さん?」
「そんなところかもしれませんなあ。」
と言いながら、料金を支払い、タクシーを降りた歯医者そうさんでした。


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