歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2007年11月16日(金) 子供のけんかから学ぶこと

僕には9歳と6歳の二人のチンチンボーイがいます。どの家庭でも言えることかもしれませんが、男同士の兄弟で遊んでいるとちょっとしたことでけんかになることがしばしばです。我が家も例外ではありません。お互いに仲良く遊んでいたと思っていてもちょっとしたことで“ああでもない、こうでもない”と言いながら次第に語調が荒くなり、挙句の果てにはけんかになってしまいます。子供がけんかをすれば当然親として注意をしたり、時には雷を落としたりすることがあるわけですが、親として難しいなあと思うこと仕切りです。

兄弟けんかは、注意深く見ていると誰かの発言や行為がきっかけになっているものです。このきっかけをしっかりと見極めながら叱らないといけないのですが、子供をずっと監視しているわけにもいかず、タイミングを逸すると本来原因がある方を注意しないこともありえます。いくら親から叱られると言っても、自分に非が無いに親から厳しく叱責を受けるのは子供としても翻意ではないはずです。

昨日の夜のことでした。チビたちが寝ようとしていた時にある漫画の取り合いでチビたちがけんかをしはじめたのです。その際、下のチビが上のチビの頭を蹴る現場を僕は見ました。いくらけんかであっても上の兄ちゃんの頭を蹴るというのは問題です。僕は直ちに下のチビを叱りました。

「人の頭を蹴るとはなにごとだ!頭って人間の体で一番弱い部分の一つなんだよ。そこをいきなり蹴ったら危ないでしょ。兄ちゃんに謝りなさい!」

かなりきつい語調で僕は下のチビを叱責したのですが、下のチビは涙を浮かべながら

「ごめんなさい」
と言いながら、寝室へ走っていったのです。

それを見ていて嫁さんが言いました。

「そうさん、確かに兄ちゃんの頭を蹴ったことは悪いことだけども、蹴った原因は兄ちゃんにもあるのよ。足で人の頭を蹴るのはよくないことだけど、○○ちゃん(下のチビのこと)が蹴るようなことまでしたのは余程のことだったのよ。そこをわかってから怒らないと・・・。」

上のチビに話を聞くと、確かに嫁さんが言っていたとおりでした。
何でも自分が読んでいた漫画を下のチビが読みたいと何度もせがんでいたとのこと。自分が読んでから見せると何度も言っていたそうですが、何度もせがむので、下のチビの嫌がる言葉を何度も言ったのだとか。負けん気の強い下のチビは腹をたて、上のチビを叩こうとしたそうですが、自分よりも体の大きな上のチビに当たらず、挙句の果てに蹴ってしまったそうです。この場面を僕がちょうど見たようなのです。

このようなことは何も子供のけんかだけではありません。大人の間の様々なトラブルにおいても言えることでしょう。一方の言い分を聞いていればその人の言い分が全く正しいように思いますが、あくまでもそれはその人を中心にした話。他方の人に話を聞けば、そのトラブルの別の側面が見えてくるもの。その人が如何にも正しいように聞こえるものです。そのような場合、どちらを信用すべきか?トラブル、いざこざにはそれに至るまでの様々な状況、人間関係、利害関係といった伏線があるはずで、そのことを理解せずして表面的なトラブルを良し悪しを決められないはず。誰もがおそらくわかっていることでしょうが、当事者同士は熱くなっているために自分に非があるとは決して認めません。お互いにプライドというものも絡んでいるだけに、解決には非常に難しいものがあるはず。時には警察沙汰、裁判沙汰に発展するようなこともあります。

たかが子供のけんかですが、親としてどうやって注意すべきか。子供のしつけは難しいものだなあと改めて感じた、歯医者そうさんでした。


 < 前日  表紙  翌日 >







そうさん メールはこちらから 掲示板

My追加