2007年10月22日(月) |
あんたに“お幸せに”と言われたくない! |
昨日は日曜日で診療は休診でした。日曜日とはいってものんびりと過ごすことができればよいのですが、期限の迫っている雑用がいくつかあり、一日中パソコンの前で仕事をしておりました。 嫁さんはチビたちを連れて買物に出かけている間、家の中では僕一人がいるという状態だった時のことでした。一本の電話がかかってきました。受話器を取ってみると、相手は中高年らしき女性でした。
「お休みのところすみません。私は○○会といいまして適齢期の方の御縁を取り持っております。お宅には適齢のご子息はいらっしゃいませんか?」
電話はどうも結婚仲介業者らしき会社の勧誘員のような女性でした。如何にも“親身になってお世話しますよ”という雰囲気が満載の勧誘電話。この手の宣伝電話はあまり付き合いたくはないので、いつもどおりお断りしようと思いました。
「うちにはそのような適齢の男はおりませんよ。」
実際のところ、うちの家庭は男性がいますが、親父は既婚で76歳の高齢者、僕も既婚者です。子供に関しては、上のチビは9歳、下のチビは6歳ですから結婚の年齢にはまだ程遠い年齢といえるでしょう。僕の言葉には偽りはなかったのです。そうすると、電話の女性は、
「それでは、ご子息のK様は如何でしょうか?」
Kというのはまさしく僕の弟のことでした。どこで弟のことを知ったのだろう?弟は医者ですから、弟の出身大学の卒業名簿あたりから弟のことを調べ、未婚であれば誰か女性を紹介しようとするような魂胆であることは明白でした。 医者、歯医者の世界では、一定の年齢になっても未婚の人たちが少なからずいます。医者、歯医者は世間から見ればステータスの高い職業、一昔前ならば三高な人たちとみられがちですが、仕事の忙しさから思ったよりも人生の伴侶を得られる機会が多くないのが実情。そのような実情を知ってかどうかわかりませんが、結婚斡旋業者の中には未婚の医者、歯医者をターゲットに商売をしようとする人たちがいるのです。僕が結婚する前にはよく自宅にこの手の電話がかかってきたり、手紙が届いたものです。
さて、K様と言われた僕の弟ですが、既に結婚済みで二人の子持ちの父親でもあります。何年も前に自宅を出て今では勤務先の病院近くに住んでいます。
「既にKは結婚して家を出ておりますから」 と伝えると、電話の女性は
「そうなんですか?それは結構なことでございます。これからも幸せな生活を歩まれるようにお伝え下さい。」
“あんたにそのような事は言われたくない”と強く思いながらも、静かに受話器を置いた、日曜日の歯医者そうさんでした。
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