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日本で働いていた時、同僚と連れ立ってよく行くインド料理屋があった。そこはインド人の同僚のお墨付きでもあり、またみんなのお気に入りでもあった。今思い出しても、本当に美味しかったな。そこへ行ったらいつも人数に合わせて適当に色んなナンやカレーを頼んだ。あとは各自取皿を持って、好きなものを好きなだけよそって食べた。アメリカ人の同僚が日本を去る時に言った。
「あのインド料理屋でみんなでシェアして色んな種類のものを食べたりしたのがすごく楽しかったよ。アメリカは一人一皿取って、頼んだ人がそれを食べ続けるっていうシステムだから」
賛成。アジアのこういう文化すごくいい。韓国や中国の映画の中で何度か目にした口に入れた箸で真ん中の料理をつつくというのはわたしは無理だけど、みんなでシェアする中華料理屋みたいなシステムは大好き。我が家も食事風景はこういうふうだった。
「だからさぁ、エビフライみたいな数えられるものが真ん中に置かれると、後で"おねえちゃん、何本食べた?"とか言って妹とケンカになるの。あなたは3人兄弟だからもっとケンカとかしたんじゃない?」
とリュカに言ったら、キョトンとしてる。
「食べ物のことでケンカになったこととかないよ。だってお母さんが一人ずつ皿に盛って、それを食べたらおしまいっていう暗黙の了解だから」
あぁ、そうか。でもそれも寂しいな。10歳〜15歳くらいまでの間、わたしは食卓に乗ってるもの全部怪獣のように食べてた。今考えるとあの大食いの子を文句言わず見守ってた両親の経済力はすごいな。でも、それは記憶の中ですごく甘い思い出だ。16歳くらいになったら体重が、18歳で一人で暮らし始めた時は食費が気になった。今は健康も食費も栄養価もあれこれ頭をめぐる。もうこの先二度とあぁいう風に無邪気お腹を満たすことはないだろう。
子供ができてから、フランスやイタリアでちょっと気にかかることは、取皿をくださいと言いにくいこと。レストランのレビューなんかを読んでいても、そういうことで客と店側が口論してたりする。
「子供の分もサービスチャージを取られた」
「だってあなたの子供が取皿使って、皿汚したし、テーブルのパンも食べたでしょ」
大半のお店は言わなければ子供の取皿をくれない。頼んでも忘れられることが多い。日本で蕎麦屋にロクちゃんと入った時、彼をみるやいなやすぐに子供用の小さなお皿とスプーンを持ってきてくれた時は、有り難かった。大人一人分しか頼まないで子供とシェアして食べてても嫌な顔をされることはない。お茶をついでくれたりする。
来月予定してる小さな旅行中に行くレストランを予約したところで、ふと皿汚したとかパン(フランスのレストランではほぼ必ずテーブルに置かれる)いっぱい食べたとか言われるのがちょっと怖くなって、軽いお皿をいつもバッグに入れておこうかとメラミンプレートを物色中。彼はどこでもぼろぼろこぼすし、レストランだけじゃなくて、色々使える場面があるかもしれない。