My life as a cat
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2019年09月20日(金) 持続可能な暮らし

朝晩めっきり冷え込むようになって海水浴はもうおしまい。夏のはじまりに起きたちょっと嫌な事件、体調不良に見舞われたのをきっかけに、今年は足繁くこのビーチに通ってよく泳ぎ、心身共にすっかり癒された。しかし気にかかっていたのは、日焼け止めで海が汚染されるのではないかということ。こんな大勢の人が毎年べったり日焼け止めを塗って海に入れば、何かしら影響があるに違いない。そんな心配をしていたところに、新聞のこんな記事が目に留まる。

「髪のリサイクルに取り組む美容院」

髪は脂(油)をよく吸収する。美容院で毎日わんさかとでる髪を海でフィルターとして利用し、油や日焼け止めなどを吸収させ、水を浄化するというもの。髪のリサイクルに取り組んでいる美容院にはステッカーが貼られているそうだ。油を吸収した髪は更に燃料なんかに使うことができるのだろうか?


゛Le monde selon Monsanto(モンサントのふしぜんなたべもの)゛というドキュメンタリー映画で観たメキシコのとある小さな村の話。彼らは、主食のとうもろこし栽培に、古代から継がれ続けている種を使う。毎年収穫したものから強い種を選び、来年またその種を蒔く。この夏わたしの庭では"牛の心臓(Coeur de boeuf)トマト"が豊作だった。昨年知人がピエモンテの実家の庭からもいできてくれたトマトがあまりにも美味しかったので、中の種を取っておいて蒔いたらよくできたのだ。彼がくれたのよりうんと小さいが、甘くて肉厚で美味しい。パプリカなどもこのように継いで問題なく美味しくできた。お金を出して買う種は研究されあれこれと強くできているのだろうが、遺伝子組み換え野菜などの不自然さを思えば、やはり理想はこのメキシコの村のとうもろこし栽培のように継いでいくこと(この村にも遺伝子組み換え野菜の汚染はせまっていて、空中から受粉してある日奇形のとうもろこしができてしまったりするということ。村では奇形のものを見たらすぐに刈り取るようにと指導していた)。クリスティーヌからこんな面白い話を聞く。

「種は継いでいくうちに記憶というものが芽生えるのよ。たとえば知人が野菜を作ってるんだけど、彼は庭に水道がないからって、水を一切あげないの。最初の5年くらいはろくに生らず小さくて貧相だったけど、そのまま種を継いでいるうちに"水はもらえない"という記憶が芽生えて、強くなって根をぐっと張って自立するのよ。そのうちよく生るようになって今では毎年水もあげない野菜が立派にわんさか生るようになったのよ」

すごい。やっぱり自然の生命力は逞しい。持続可能な暮らしは人間がもっとも真剣に取り組まなければならない課題だ。


Michelina |MAIL