My life as a cat
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2018年08月19日(日) 彼らが本気で編むときは、

日本を出る前に観たかったけど間に合わなかった映画。リュカが探してきてくれたので家で鑑賞。期待通り良い映画だった。

出だしのシーン。散らかった汚い家でひとり、母親が用意していったコンビニのおにぎりを淡々と食べる小学生のトモ。もうここで心にがつんと痛みが走ってしまった。知人にこんな母親がいる。トモの家と同じでやっぱり母子家庭で、母親は飲み歩いてばかりいて小学生の息子はインスタント食品漬け。酔って帰ってビールの空き缶をかきわけて寝る。

「息子の誕生日に鶏のから揚げ作ってあげるって約束したの」

と話していたのでちょっとほっとしてたら、結局面倒くさくなって買って帰ったと言うし。ちゃんと手料理を出したら良い親というわけではないけど、でも母の手の温もりが残る料理で育ったわたしにはこういう話は辛くて辛くて、タコのウインナーのくだりは泣いてしまった。

「人として素晴らしいことに、男とか女とか関係ない」

このマキオの言葉にもずきっとした。長い間独身で、ただ異性として性的魅力を感じる人に着いていったりした。でもそういう魅力は浅慮ですぐに朽ちる。そこで人として魅力がなければ関係も終わる。それはそれで打ち上げ花火みたいに儚くてよかったけれど、40代にさしかかる頃から余生は性別に関係なく人として魅力的な人と濃密に過ごしていきたいと思うようになった。人として信頼を得るには、人として魅力的になるには、どうしたらいいのか、このところそんなことを模索している。

それにしてもこの作品、荻上直子さんが「癒してなるものか!」と意気込んで作ったというのだけど、かもめ食堂とか癒される映画だったかな?・・・現実味のない浮遊感しか感じなかった気がするが。


Michelina |MAIL