My life as a cat
My life as a cat
DiaryINDEXpastwill


2017年03月02日(木) 菜花の溺れ煮

米沢亜衣さん(現在は結婚されて細川亜衣さん)の「イタリア料理の本」を2冊購入した。Dean & Delucaでセレクトされて紹介されていたというから、ちょっと敬遠していたのだが、これが作ってみるとどの料理も"ホンモノ"で驚かされる。複雑なのも難しいのもお固いのも抜き。良質のオリーブオイルと塩を手に入れたらさぁはじめましょう、というくらい気軽にできるものばかり。これでもいい、あれでもいい、あるもので代用しましょう、分量は好きなだけね、という感じ。読んだだけでは、こんなシンプルで本当に美味しくできるの?まずもってこれをレシピなんて呼べるの?と思うが、疑いつつ作ってみると最後にピタッっと辻褄が合う感じだ。食べ物はいじり倒したら美味しくなるというものではない。この人って本当に美味しいものをよく知ってる人なんじゃないかと思う。

旬が終わる前にと駆け込みで菜花を手に入れて、溺れ煮というのを作ってみた。冷水に浸した菜花の水気をあまり切らないまま鍋に入れて、唐辛子、刻んだ玉ねぎとあさつきを入れ、塩を少々、溺れるくらいのオリーブオイル(菜花300gに対してオイル100mℓ)を注いだら蓋をしてくたくたになるまで弱火で蒸し煮にする。無水鍋のSTAUBは毎日のように活躍しているが、こんな料理の時はいつもにも増して本領発揮する。そして大事なのが、ぷっくりと大きくてやわらかくもちっとしたパンと食べるというくだり。菜花をひとくち、パンをひとくち、と繰り返して、最後に皿に残ったオリーブオイルをパンできれいにぬぐう。ちゃんと美味しいものを食べていれば、満足して、他におかずはいらないものだ。エスプレッソを飲んでおしまい。こういうのが日々食べたい料理だ。美味しいパンを買って仕事から帰って15分で用意できる。そして口に入れた瞬間疲れがふっ飛ぶ料理。


Michelina |MAIL