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この時期になるとあちこちの庭の木にキウイが成っているのを見かける。酸っぱそうだな、食べられるのかな、と思っていたら、農園のおやじが自宅で採れたというのを持ってきた。
「もうよく熟してるからねー、ほら」
なんと、ぷよっぷよっ、と指で身を押しているではないか。うわぁ。。。桃の指で押されたところが茶色く傷んでいくのを思って絶句した。イタリアのとある八百屋では、
「売り物には絶対触るな」
と店先で女主人が仁王立ちで目を光らせて見張っていた。仕方ないので桃の高さまでしゃがんで、犬のような格好でくんくんと匂いをかいで熟しているか確認するしかなかった。まぁ、しかしこの女主人は正しいね。わたしは八百屋だったら同じことを言うだろう。ところが、おやじはこともあろうにぷよっぷよっ、とやって見せてそれを食べろと渡す。あまりにも衝撃的だった。
同僚に食べられるのだろうかと相談すると、みんなわからないと言う。試しにひとつ割って食べる。
ん?
甘い!美味い!
一気にもらったのを3つ食べてしまった。
おやじに報告した。指で押しながら渡されたのがあまりにも衝撃的だったこと。しかし食べてみて、またその美味さが衝撃的だったこと。
「林檎と一緒に追熟させたからね。甘くて美味いに決まってるよ」
なにごともなかったようにおやじはそう言い残して去っていった。
結論は、指でおされたキモいキウイも林檎と追熟させればなにはともあれ甘くて美味いということなのだな。