My life as a cat
My life as a cat
DiaryINDEXpastwill


2014年12月08日(月) 物の適正価格























消費税の値上がりと同時に原価も上がり、あらゆるものの価格が変わった。食料品などの買い物に出かけては少し考えてしまう。よく本を購入するAmazonでも、破格で中古の本が手に入るということが圧倒的に少なくなった。むしろふっかけすぎだと思うようなものを多々見る。先日驚いたのは数年前に5000円程で手に入れたある故人の画集。すぐに絶版になったらしいのだが、その後人気が沸いてアメリカのAmazonではU$1500(15万円程度)、日本でも10倍ほどの価格がついていた。本当にこんな価格で買い手がつくのか謎だが、いつか生活に困った時にはこの画集が助けてくれるかもしれないと思ったりもする。Amazonでは古本を売ったりもしているので売り手であり買い手でもある。古本に価格付けする時に考える。ワンクリックで最低価格に合わせることができる。しかし、いちばん大切なのは、最低限受け取らなければ売る価値がないと思える自分の中の最低価格より高いこと、さらに自分が客としてこれなら買ってもいいと思える額であることだ。物には適正価格というものがある。この二つの条件が満たされていなければ売らないし、売ってもやはり売れない(逆にここさえ守っていればほぼ売れる)。原点に帰れば、そもそも本を捨てるのがモッタイナイと思うから売るのであって、あまり商売根性を出すものじゃないと自分に言い聞かせている。出版社や作家はこれではひとたまりもないだろう。本好きとして、守っていきたいものなのである。

あらゆるものが高くなったからもっと財布の紐を締めてとはなっていないが、以前よりも良質のものだけを買おうという思いは強くなった。スティーブ・ジョブスは製品開発時に細部にこだわり過ぎて開発費を使い込み、ついには自らが立ち上げたアップル社からクビにされたというが、それほどの情熱を持って物創りと向き合っている人々に生き残って欲しい。買い手としても売り手が粗末に扱うものや、自信を持っていない質の悪いものは嫌なのだ。

(写真:本文と関係なし。パリで撮ったお気に入りスナップ。ピンクの子猫ちゃん、可愛い過ぎる!)


Michelina |MAIL