My life as a cat
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2013年06月25日(火) 鍵泥棒のメソッド

「鍵泥棒のメソッド」、文句なしに面白かった。内田けんじと堺雅人やっぱりハズさないねぇ。この独特のテンポ、好きだわ。鈍くさいようでいても、確実に笑いを取るれるんだから、ホントにうまく出来てる。堺雅人が演じるのは35歳定職なし、貯金なし、家族なしみたいなダメ男。金儲けで成功した男の鍵を盗んで、その男になりすまして、高級マンションに暮らしてみても、その辺にカップヌードルのゴミを置きっぱなしにしたりしてる。一方、香川照之演じるのは几帳面でやり手な男。記憶を失ったが故にダメ男が借りていたおんぼろアパートに住むことになっても、やはりきちんと整理整頓ができていて、あっさり美味しい手料理を作ってくれる女の人を見つけてしまったりする。デキる男とダメ男はもう生活に対する姿勢と性質の根本がまるで違うのだ。広末涼子の演じる真面目で真直ぐな女の子もいいわぁ。勉強は出来るけど、自分の感情を感知する能力は鈍いみたいな。でも好きだなぁ、あぁいう人。盛り上がってる合コンで、金持ちの男達が貧乏人を見下すんです。

「金もないのに、愛してる、なんて笑っちゃうぜ」

みたいなこと言うんです。で、ね、そう思うでしょ?ってふられて、

「わたしはそう思いません」

なんて正直に言って、その場を凍らせちゃう。そんな低俗な金持ち達を楽しませる義務なんてないものね。凍らせとけばいいのですよ。

しかし、個人的に一番印象に残ったシーンは、記憶を失った香川が、自分のことを聞き出そうとアパートの住人をノックして回るところ。一人暮らしの女が戸を開けて、その足元には猫がいる。早とちりした女は、猫を抱き上げて、

「あの、猫のことですか? わたしこのコがいないと生きていけないんです。どうか大家さんには言わないでください」

なんて言いだす。あぁ、解るね、解る、解る(笑)。わたしも誰かが猫の苦情とか言いにきたら、絶対同じこと言うね(笑)。

仕事で荒波に揉まれて、帰宅して、家事を終えてシャワーを浴びて、一日の終わりに、クロエちゃんをブラッシングしながら、その日のことを会話する。ただただ隣にいてくれる小さな温かい体にどんなに癒されていることか。わたしも、

"このコがいないと生きていけないんです"

絶対言うね。


Michelina |MAIL