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仕事も山積み、全て投げ出して逃げ出したくなるようなウィークデイの終わり、この日ばかりは定時で切りあげて髪と化粧を整えて、駅に向かった。
いた!本当に来てくれた!
アレンがわたしを待っていてくれた。飛びついて頬を擦り寄せたら、手を繋いで家に向かう。
「本当に来てくれると思わなかった。」
「行くって言ったでしょう。」
「でも本当にこんな田舎までひとりで電車に乗って来られると思わなかった。」
「僕そこまで foreigner と思われてるの?」(笑)
DVDを借りて家に帰る。すぐにワインを開けてちびちびやりながら夕飯の支度をする。ヘルプは要らないと言ったのにちゃんとシンクにたまった器具をちょこちょこと洗って、不要な物を片付けてくれる。
アレンと知りあった日から毎日メールと電話は欠かさず、お互いの週末を独占しあっている。はじめて会った時、こんなに美しい青年がいるだろうかと呼吸が止まった。わたしはすっかり控え目になっていたが、あちらは天真爛漫によく喋り、陽気に笑い続けた。あまりにもの無邪気さに天使の顔をした悪魔に違いないと疑いつつも離れることが難しくなった。
お互いに年の差は関係ないと言いつつも、わたしはやっぱり自分の老を感じずにいられない。わたしはいつからか no feelingsだ。アレンといる時はハッピーだけれど、ある日突然彼が無邪気に手を振って日本を去っても泣かないだろう。この先、誰かに心を燃やして泣いたり笑ったりすることがあるのだろうか。もう一瞬一瞬を愉しむような恋愛しか出来ないのだろうか。
次の朝、僕は男だから、 I won't miss youなどと言って去って行った。それなのにさびしそうに電話してくるのはあっちなんだけどなぁ、、、、。