My life as a cat
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2007年10月03日(水) 7ヶ月ぶりの再会

時間も約束も守ったことがなく全くあてにしてなかったデイヴィスが珍しく朝から3時に迎えに行くから準備しておくようになどとメールしてきた。本当に来るのだろうか。今日こそマーヴに会えるのだろうか。何度も約束をすっぽかされて、その度に大喧嘩をした。マーヴがいなくなってしまった日もわたし達は病室の外で怒鳴りあいの喧嘩をしていた。信用ならないけれど、根っから悪いヤツではない。他のことは一切覚えていないのに、わたしがベジタリアンなのだけをしつこく覚えていて、みんなでピッツァをオーダーしようという時も肉の入ってないやつじゃなきゃだめだと断言したり、家に行っても彼女のは肉抜きにしてとしつこくママに言ったりする。続いているのか知らないけれど、一時期体調を崩した時は君のように健康になりたいからベジタリアンになると言ってきっぱり肉をやめた。マーヴは、あいつは戦争で頭をやられたとよく言ったけれど、本当に正常なところから一本だけネジを抜きとってしまってそこに風穴が開いてしまったような人間なのだ。3時になって電話がきてキャニング・ハイウェイを下ってると言われてもまだ信用できなかった。しかし10分後、ブルーシルバーのアルファロメオがこっちに向かってくるのが見えた時、本当に会えるのだと胸がドクドクと高鳴った。

刑務所の入り口を入ってすぐにカウンターがあってそこには150kgぐらいはありそうなデブなおじさんが3人並んで座っていた。デブにしか勤まらないポジションなのだろうか。写真を撮られるのだが、スマ〜イル!などと言われて、そういうものなのかと頑張ってにっこり笑ったけれど、後でデイヴィスに聞くと君がからかわれただけだと言っていた。いい加減なものだ。

カフェテリアのようなところでじっと座ってマーヴを待った。赤ちゃんを抱っこしている若い女の人も不自由な体を引きずった老人もわたし達のように待っていた。テレビで見た日本の刑務所のように陰湿な雰囲気ではないことが救いだ。わたし達が入ってきたのと反対の入り口にマーヴを見つけた時は嬉しくて嬉しくて、そこまで走っていって大きなハグをした。電話で散々話してきたから大した話題もなくて、ただひたすらお互いをジロジロと見合った。長い長い睫毛を振り回すように大きなクリクリとした目を瞬かせて、次はどんないたずらをしようかと考える子供のようなあどけない表情は消えてはいなかった。

帰りの車中、GFからの電話をとったデイヴィスは声を張り上げて大喧嘩を始めた。彼女は何時間も電話を取らない彼が浮気しているのではないかと疑って嫉妬に狂っているらしい。わたしの友人にも相手の浮気や愛情を疑う人は多々いる。マーヴとはしばらく離れて暮らさなければならないけれど、そんなことを心配したことは一度もないわたしはもしかしたらそう不幸ではないのかもしれない。

(写真:10月のパースの主役、ボトル・ブラッシュ)


Michelina |MAIL