My life as a cat
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2004年12月02日(木) 雨降りの日

マーティンが喉が痛いといって会社を休んだ。が、きちんとごはんは食べられるし、音楽だって聞いている。声がおかしいので喉が痛いというのは事実だろうけれど、どんなにしたって休まず会社に行った父親を見ているせいで、どうしても平日の昼間にTシャツを着て家にいる男の姿に幻滅してしまう自分がいる。彼は日本人ほどではなくてもよく働くほうだ。長い休暇も取っていないし、旅行にも行っていない。だからたまにはこれを機会にゆっくり休むのもいい。そう理屈では思っても感情的にダメなのだ。そっけなく冷たい態度しかとることができない。黙々自分のことをこなしていると向こうから彼がミケに話しかけているのが聞こえた。「ミケ〜、彼女は弱い男が嫌いなんだ。だから喉が痛くて会社を休むような男とは喋りたくないんだ」と。胸が痛いが喋らないことがわたしの精一杯の優しさなのだ。口を開いたらイヤミを言ってしまいそうだった。

夕飯は彼の好きなカリフラワーとポテトをバターで焼いてちょっと醤油を絡めた。香ばしい匂いがなんともいえない。もう「平日の昼間」も終って彼が居ても違和感のない時間になったからか、わたしの機嫌もすっかり治っていた。いつものように食事をしていたら電話が鳴った。彼のお祖父さんが亡くなったという知らせ。それでもスロヴァキアのパスポートを握り締めてここに入国した彼はここを出国して2度と入国できない悪夢をよく見るから恐いのだという。だから帰らないという。日本という恵まれた国に生まれて日本のパスポートを自然に持てたわたしはなんて幸運なのだろう。

腹ごなしに1人で歩いてスーパーマーケットへ買い物へ行き、家に向かって帰る途中雨が降ってきた。けっこう強いので大きな木の下で雨宿りしていた。すると向こうのほうにマーティンの車が見えた。迎えに来てくれたのだった。"Thanks a lot"とだけ口にだして言い、心の中で"I'm sorry"と今日一日のことを謝った。


Michelina |MAIL