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2017年01月25日(水) |
ゲバラコミック あとがき |
マンガ偉人伝 チェ・ゲバラ
光文社 知恵の森文庫 構成:今野清司 画:嶋野千恵 発売日:2010年7月8日 定価:680円
本編内容ご紹介と著者あとがき
チェ・ゲバラという人の存在を知ったのは、もうずっと昔、自分が子供だった頃です。 当時は、その生涯や思想については何も知りませんでしたが、その涼しい目は強く印象に残っています。
今回、ゲバラの人生を漫画化するにあたり、彼の生涯や思想を改めて学びなおしました。 世界史や世界情勢について、バラバラの点の形で理解していた知識が、ゲバラの生涯を通して立体的に再構成されていくのを感じることができました。
一方で、限られた紙数の中で、ゲバラの生涯と当時の世界情勢を絡めて描いていくのはかなり困難な作業でした。執筆の際の目標として、人間としてのゲバラを描こうというのがありましたが、東西冷戦という大状況と、人間ゲバラの等身大の小さな世界をバランスよく描くのは本当に難しかったです。ゲバラは公私にエピソードが満載で、ページが倍欲しいと何度も思わされました(もしそうだったら、完成していなかったかもしれませんが…)。
また、執筆当時はゲバラ没後40周年、生誕80周年に当たる年で、次々と新事実や新資料が発表され、それを追いかけるのに苦労したのも、今となってはいい思い出です。その度に描き直すのは大変でしたが、おかげで最新の情報を作品に反映させることができました。
描くにあたり、たくさんの資料写真を見ましたが、ゲバラは実に表情が豊かな人で、似せて描くのには苦労させられました。多くの人が抱いているゲバラのイメージは、あの有名なコルダの写真でしょうが、あの凛々しい顔とは違い、笑っているゲバラの顔は本当に無邪気な子供のような顔で、私はむしろそちらに惹かれました。
執筆開始から、もう足かけ5年ほどゲバラとつきあっていますが、飽きるどころかますますゲバラへの興味は深まっています。それだけ、ゲバラという人は魅力のある存在なのでしょう。
私たちの作品が、そのすべてを描きつくせたとは思いませんが、少なくとも魅力の一端は描きえたかと思っております。 漫画という手軽なメディアを通じて、若い方を含む一人でも多くの方が、ゲバラという稀有な人物の魅力を知ってほしいと切に願います。
今野清司
電子書籍版あります。こちら マンガ偉人伝 チェ・ゲバラ
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