あたし、の。 華と一緒に暮らしています。そろそろ1ヶ月半になろうとしている。 夜勤の仕事がメインで、夜のレストランのバイトもしている華は、あんまり家にいない。 あたしは、一人で寝る夜もたくさんあって。 隣にいる夜は、なんだかとても不思議。 我が儘が許されて。 甘やかされて。 あたし、性格が悪くなってるね。 もともと悪かったけど、もっと悪くなってきてる。 自覚はあるけど、自覚するのは、いつも後の祭り。 華は、仕事を詰め込んで、 あたしに服を買ってあげるんだって、張り切って。 でも草臥れた顔をしてて。 週末になると、ランチを作ってあげるあたしを見て、 すごく不思議なものを見るように、笑っている。 生き急ぐ華の、ほんの一瞬を留める力は、 この手に、あるのでしょうか。 これは、幸福なのかな。 華と一緒の、生活。 これが望んだ未来だった? ほんのりと与えられる安定感と、 どんどん嫌な女になっていく自分と、 生き急いだ背中を見せる華と、 川沿いに見える、綺麗な夜景。 そんなことだけを悩んでいる。 あたしは馬鹿ないきものだ。
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