d a y s*
photo & text by tomoko
* 2006年07月06日(木) |
hopes for the morning |
ヒデ。私は彼を一度だって好きと思ったことがないのです。
プレイも、見える範囲内での人柄も。キックの強さ、その正確さもボディバランスの素晴らしさも、凄いとは思ったけれど好みじゃなかったし、デビューした頃の生意気な言動も態度も、打って変わっての鉄面皮も、特に何を感じるでもなかった。
そうやって好きではなかったのだけど、今回のW杯への姿勢と、その後の彼の選択を私は尊敬しました。プロを引退してハーバード大。その話が本当なのかどうか、日本のメディアは少しばかり信用ならないのでなんとも言えないですけど(笑)それが真実だったとして、ヒデだったらいくんだろうなと思いました。突拍子ないとも思わなかった。そんな風に思わせるヤツだよな、と。
ああいう終わり方をしたのにとどまらない道を選べるものなのかと思ったのです。勝ち負けにこだわった生き方をする人間であれば、負けて終わるほどに未練が残るものでしょう? だから、ヒデは難しい選択をしたのかな。と、思ったのです。それとも未練も残らないほど尽きてしまったのかな。……いや、そうとは思えない。尽きてしまうことを避けたのかもしれない、とは思えるけれど。そんなのもヒデっぽくないと思うけど、彼も人間ですしね。難しい選択だと迷わないくらい、はっきり決めていた選択だったのかもしれないですね。迷いを目に映る場所で出さない人間だから、こんな風に想像するしかないわけですが……まったく、ただのスポーツバカじゃないとこが生意気ですね(笑)。一筋縄じゃいかないというか、想像のつかないエリアの人間というか。
ヒデは放っておいてもまたどこかしらから姿を見せる気がするので、マスコミ陣には一個人の人生の邪魔をしないでやって欲しいものです。また出てくるだろうさアイツはー。東ハトの執行役も続けるみたいだし。で、今度カメラの前に立つ時には揚げ足取り発言しまくるといいんだよ。ブラジル戦後のコメントとか昔のインタビューの時みたいにね。ベルマーレやフランス大会の笑ってた頃みたいにね。ブラジル戦前にロナウドと話してた時みたいに……笑顔で談話している姿を見た時に、そういえばヒデを好きと思ったことはなかったけど、笑った顔の素直さが可愛いなんて思ったことはあったなーと思いました。(笑)
10年間と直近の4年間、お疲れさまでした。
これからは笑いたい時に笑ってください。
と、言いたいです。
日本サッカー界のために残ってやる義理なんてないと思うのですよ。大きな痛手かもしれないけど、彼に続くプレイヤーが育たなかったんだから仕方ないんだわ。