酒場と野球と男と女
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2007年11月02日(金) |
グッバイヒルマン、グッバイ漱石、の巻。 |
子供の頃からパリーグをヒイキにするオヤジとしては、
何とも残念な結果となった2007日本シリーズ。
ドラゴンズ53年ぶりの日本一で、幕を閉じた。
人間落合(ヨメムスコ含む)は、ちょっと馴染めないが、
(つうか馴染む機会も縁もゆかりもないですがね)、
監督落合は、中々のものとオヤジは、ひそかに思っておりました。
4年間の戦績もそうですが、投手交代時に自らマウンドへ向かう所とか、
審判への抗議の仕方、キャンプでの言動(選手を乗せる)、
用兵術(川相、中村の獲得の仕方等)等、
「オオっ!やるねぇ」
と、オヤジを唸らせるものがあります。
(つうか、オヤジはどれ程のもんだ!ですね)
しかししかし、昨日の山井投手完全試合阻止には、
いささか驚いた。
テレビに向かって、
「おいおい!何だそりゃぁ」
と思わず叫んだものだ。
「山井に替わりまして、ピッチャー岩瀬ぇ〜」
のコールに、いつもなら万雷の拍手が起こるところ、
驚愕と呆然と罵声の混じった歓声が、マウンドを包んだように、
その場で聞いていないが、そう思った。
岩瀬の表情もいつもより強張っているように、
いつもをそんなに知らないが、勝手にそう思った。
「こりゃぁ、岩瀬、打たれるなぁ」
晩酌の発泡酒片手に、オヤジは呟いた。
「いや、オレでも替えるよ」
隣でムスコが反論する。
「仮にホームラン打たれても、同点だろ、山井、行かせてやれよ」
オヤジも負けない。
「山井はさっきの回で、いい当たり2本されたし、
勝ちに行くなら岩瀬だぜ」
高校球児も引き下がらない。
「いやいや、もしここで岩瀬が打たれたら、二人のピッチャーが
潰されるんだぞ、打たれなくても四球とかエラーでも禍根残すだろうよ」
ちょいと、興奮気味のオヤジ。
「だから、岩瀬は打たれないって、まぁ見ててみろよ」
何ゆえの余裕か、47歳をたしなめにかかる18歳。
その物言いに、軽い酔いも後押しし、思わず、
「おうそうかそうか、じゃぁ岩瀬が見事3人で抑えたら
千円やるわい!」
と言い放ったオヤジ。
二人のやりとりを聞くでもなく聞いていたヨメサンと女子高生、同時に
「乗ったぁ!!」
ムスコだけ、
「いいよ別に、そんなの」
と素っ気無い。
その素っ気無さも気に食わなく、
「よぉしわかった、3人に千円ずつやる、絶対やる!
そん代わりランナーひとりでも出したらそん時は、覚悟しとけよぉ〜」
隣では、オナゴ二人が箸を振りながら、
「千円、千円、千円……」
と千円コールを上げている。
岩瀬の練習投球も終わり、先頭打者金子に対する…。
5分後。
3人の漱石は、オヤジの元から去っていきました。
「勢いだけのアンタの小博打には、ホトホト愛想が尽きました」
と書置きが財布に残されていたような……。
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