定額給付金が入り、競馬1点買いにつぎ込み倍プッシュという ささやかな計画を描いていたが中止した。
今日は父の日だったからだ。
すっかり忘れていた。 というよりかは頭の片隅にすら置いていなかった。
そんな親不孝ものの息子はリビングでのんびりとくつろいでいた。 いや、正確にいうと前日にフットサルをし そのあと朝3時半まで飲み続けていたため、ぐったりしていた。
そんな、無様な息子に父はこういった。 「父の日のプレゼントは?」 『笑顔』 なんて反射的に父がよく使う手を思いついたが 『あぁ〜そういえばそんな日があったなぁー』 僕は筋肉痛の足をもむみながら言った。 「プラズマテレビにしようかと思ったけど、ドライヤーで勘弁してやる」 『お前はなにを言っているんだ』 とは口にしなかったが 一応、無言の抵抗は試みた。 「ボーナスは入ったんだろ」 『まぁ〜そうだけど・・・』 だんだんと追い詰められているのがわかる。 お金がないといういいわけができないからだ。 「給付金も入ったろ」 とどめの一発。 どうやら父がドライヤーを底に落として壊したらしく そのつけをなぜか父の日をいいことに息子に買わせようとしていた。
そんなわけで、かわいそうな息子はドライヤーを買いに電気ショップへ。 筋肉痛とアルコールの影響で、限界の限界まで来ている。 絶不調な体にムチを打ちながら懸命に歩く。 ふと、思うのは人間って二足歩行に向いていないんじゃないか。 こう動物みたいに四足で歩いたほうが楽で実は速いじゃないか。 アルコールが抜けていないせいか、そんなくだらないこと思いつく。 実行に移すほど酔ってはいなかった。
途中でトマトジュースを買って飲む。 二日酔いの次の日はだいたいトマトジュースを飲む、これが結構効いたりする。
そんなこんなで、なんとか無事にドライヤーを購入。 せっかく入った定額給付金はもうない。 なんてことはない、ってこともない、やっぱりない。
う〜〜ん、まだ酔ってるなぁ〜〜。
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