四月十日

小学校に入りたてのころ
おじいちゃんは逝った。

家には人がいっぱいで
ちょっとハイな気分だった。

口にご飯がついてた　おじいちゃん
涙を零してばかりいた　おじいちゃん
いつもより　いつもより　ずっと綺麗な顔で眠ってた　おじいちゃん
寝たきりだった　おじいちゃん
いつもと変らぬ　いつもと変わらぬまんまの　おじいちゃん

死の意味がまだ判らぬ頃だけど
箱の中に入れられたとき
初めて涙が零れた。

「おじいちゃん可哀相・・・」

写真で見るおじいちゃんはとってもハンサムだ。
父は残念ながら（笑）祖母に似ている。
私はウリフタツと言われるほど母に似ている。
弟は・・・どちらにも全く似ていない。
せっかくのおじいちゃんの美形の血は誰も受け継がなかった。

おじいちゃん？

おじいちゃんはわたしが好きだったろうか？
私はおじいちゃんを好きになったろうか？
何一つ確めることが出来ない。

大きくなって「死」の意味が判るようになり
悲しめなかったあの日を思う。

おじいちゃんの逝った日は
私がおじいちゃんとの「これから」を・・・失った日だったのだ。

でもね、何故だ時々おじいちゃんを想うの　折につけ想うの
ちょっと感じてる
おじいちゃんはもしかしたら　あたしの後ろにいてくれてるかもしれない


四月十日

忌引きという名の下に、学校を休むという素敵な行いに目覚めた日
おじいちゃん.....



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今年の四月十日,悪寒は弟にメールを送った

「代わりにお線香おねがいしやす」

いつもなら毒舌交じりですぐに返信してくるのに音沙汰なかった

むしろ大した用もないのにメールを送ってくるヤツなのに

何かあったか？

気にはなっていたが我が姉弟は、お互いに干渉しない間柄

何かあれば言って来るだろうと放置しておいた

その弟から昨日メールが入った




『「残酷な天使のテーゼ」のサビのほとばしる熱い何だ？　歌詞が聞き取れん(Ｔ　Ｔ）』




顔文字、泣かすほどの事なのか？



即効で返信する

「パトス」


何故、お前まで今更、エヴァなんだ？

何故、その答えが必要なんだ？

何故、その質問を送ったのがあたしなんだ？

数々の疑問が渦巻く

あれから既に２０時間








ありがと・・は？

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