『愛を読むひと』The Reader 2008年/米=独 スティーブン・ダルドリー監督
映像が全てを語っている。
監督の強い表現姿勢が伝わってくる。
説明台詞は存在しない。
むしろ何も語っていない。なのに
全てが理解できる。全ての感情が理解できる。
相手に刃を向けることは、同時に自分の心も切り刻むことと。
その道を選んだのは、愛が理解をさせたから。
静かに受け止めたのは、そこに愛の存在があったから。
二律背反する感情の中で、新たな関係を築いていけるはずだともがいている。
愛と罪と許せない心。背負った十字架。
「人を愛する」初めての形を見たという思いになる。
監督のバイセクシャルのアイデンティティが
あんなに丁寧な少年の感情描写を可能にしたのかと思う。
偏った見方だろうか。
この作品のセックスシーンに嫌な隠微さは微塵も感じない。
本当に必要な描写だと思える。
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