こちらでは、ユースケ氏の出演作品の中から、後世に残したいとまで気に入った作品&ここまでこのドラマを食い入るように観てるのって私だけだろうと思ったドラマを、筆者が勝手に必要以上に評価させて頂いています。ネタバレ有です。
「今週、妻が浮気します」その2 第1〜3話 酸素吸えなくなる - 2007年04月01日(日) 1 安心 それが人間の最も身近な敵である。(シェイクスピア) 2 災いは一人では歩いてこない。大挙して押し寄せてくる。(ハムレット) 3 結婚とは、いかなる羅針盤もかつて航路を発見したことのない荒海だ。(ハイネ) 編集者のデスクとしてポジティブで体当たりな仕事ぶり、家に帰れば可愛い妻子との円満な家庭、全てが順調、充実そのもの。 と信じ切って疑わなかった幸福が、まずは徹底してハジメの目線で描写されている。(あとで陶子の目線で見返してみれば、実はところどころに幸せ夫婦の擦れ違いや綻びが散見されるんだけど) そこに降って湧いた、思ってもみなかった疑惑。それは不安、恐怖、焦り、怒りとなって段々大きくなり、加速度的に彼を追いかけてくる。 このドラマの役者さんの演技全てが素敵だが、ここではやはりユースケ氏の、 忘れられない絵を回想させてください。 彼は愛する妻子の為ならば、外ではなりふり構わず、みっともなくとも、土下座でも何でもできるのだが、彼の心の夫婦愛は、妻の目前に表現しなくとも彼女に理解されていると信じて疑っていなかった。 妻は夫の本当の苦労を知らない(し、夫も妻の本当の苦労を知らずにいる)。 お互いに、取り繕っている妙な壁を、夫婦自身が自覚していない。 ※なりふり構わないみっともない姿を晒し切る演技に、まったく躊躇のカケラも見られないユースケ氏の、逆にそれが色気となる格好良さ 土下座の場面は勿論、警察の取調室で「(妻に報告するのだけは)勘弁してください!」と頭を机に打ち付けるあたりにも。 ※何か感情を「抑えよう抑えよう」としている表情のうまさ 陶子と一緒にカフェに居た男のことを轟たちから聞かされている場面、必死で抑えてるところ。 帰宅後、陶子との会話から何か訊き出したいと思う心を包み隠しながら平常心を装っている声など。 けれどここで一番気づかされたのは、ユースケ氏の、 様々な感情に圧迫されているような息遣い。(セリフや動作に息が乗ったり止まったりする連動の仕方) それは日ごとに肥大していく、妻の浮気の疑いが確信に変わることだったり、 とにかくいつも何かにどんどん押し潰され焦らされ、息苦しくなっていく感情が、 手に取るようにその気持ちが観客に分かるような表情と共に、 しかも、その疲労困憊ぶりが、ちょっと苦笑まで誘うような程で。 観ているといつのまにか、どこで吸ってどこで吐くかまでユースケ氏に同調してしまう。 それほどリアルに視聴者をハジメに乗り移らせるほど、ハジメがユースケ氏に乗り移って酸欠になっているようなのだ。 ホテルロビーのソファに息を潜め身を隠している時など、ほとんどまともに酸素も取り入れられてない。 チェックインのためフロントに向かう妻と男を目の当たりにしたときの激昂、それを辛うじて堪えて、そのあとのショック状態、など。 こっちは、観たあとで思わず外の空気を吸いに行かざるを得なかったくらい。 -
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