こちらでは、ユースケ氏の出演作品の中から、後世に残したいとまで気に入った作品&ここまでこのドラマを食い入るように観てるのって私だけだろうと思ったドラマを、筆者が勝手に必要以上に評価させて頂いています。ネタバレ有です。
「アルジャーノンに花束を」フジテレビ その3 よくぞユースケ氏をキャスティング - 2005年10月03日(月) その3 ユースケ氏というキャストの良さ ここで、主人公の「ハル」に、よくぞユースケ・サンタマリア氏を起用したものだと、キャストを考えた人に感謝したい。 「ハル」は、実年齢設定は30歳前後。でも頭は幼児〜大人。 子供っぽいところ・生意気なところ・大人っぽいところ・馬鹿っぽいところ・繊細で切れそうなところ、すべて内包していなければならない。 人の心の成長過程を、青いところも熟成したところも。イヤなところも優しいところも。虹のように順繰りに繰り出さなければならない。 そんな役を自然に、演じていないように演じきる役者でなければならない。 さらに言えば、ルックスも、見ようによっては理知的な、ある種のかっこよさ、でも基本的に、ほよーんとした癒し系の、かっこ悪い感じもなければならない。 気性の素直さも、虚無的なひねくれも、全部矛盾なく見せなきゃならない。 さあ、難しい。 それをユースケ氏がちゃんとクリアしている。もって生まれた素材と、それを引き出す演技で、クリアしているに違いない。 つまり俳優としてのユースケ氏には、そういう奥深い多面性があるということだ。どこらへんが素材で、どのあたりが演技力なのか、はっきりとした線引きはわからないが。 細いながらも可愛らしくスタイリッシュな目の形や、福笑いのような眉毛の動かし方も、いろいろな表情を醸し出すのに役立っている。前髪が眉にかかるかどうかでも、ファニーな雰囲気で行くのか、ちょっと男っぽく低温に抑えるのか、調節ができる。 口元とか相当面白い顔でありながら、実は角度によっては口角がきゅっと上がって見えることから、次のような効果をもたらす。 ・・・あら、この人、情けない男かと思ったら、包容力もあってすてきな笑顔だし、あんがい出来た大人?ただものではないな?と思わせるのだ。 そうなると、この人の演じる役柄に、俄然興味が集中してくる。いったいどういう人間なんだろうと。 意外性を見せ付けられると弱い、私のようなファンには、これがかなり効いてしまう。 つまり、最初っから二枚目で、頭よさそうな、そんな人はつまらない。 かといって、最初から最後までどこをとってもみっともない三枚目なのもがっかりだし、 どこかで「あらっ」と思わせて欲しい、そのほうが夢がかきたてられるし将来が明るいから。 それから声だ。ざらつきのある、高すぎず低すぎない声がポイント。品も保ちながら、馬鹿っぽい台詞も似合ってくる。 泣くシーンなど、本当に悲しそうな、共感しやすい泣き声だ。抑揚のつけ方も、パターンをうまくはずすことで、かえって感情が表に出てくる。 マウスのアルジャーノンが死んだときの台詞、最初の「友達だったのに・・・。」と、「友達だったのにい・・。」のしゃべりかたを比べると、なるほど深いなーと思える。 もちろん、演出や、メイク、カメラの角度なども大変大変重要だ。その点、これはユースケ氏の味をしっかり出せるように作られたドラマだと思う。 -
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