こちらでは、ユースケ氏の出演作品の中から、後世に残したいとまで気に入った作品&ここまでこのドラマを食い入るように観てるのって私だけだろうと思ったドラマを、筆者が勝手に必要以上に評価させて頂いています。ネタバレ有です。
「アルジャーノンに花束を」フジテレビ その1 原作とは別物 - 2005年10月01日(土) 初回放送から、もう3年も経ってしまったけれど、いつまでも忘れられない。 3周年記念ということで、感想文を書いてみる。 「アルジャーノンに花束を」フジテレビ 2002年秋 ※このドラマのせいで私はユースケ氏のファンになってしまったのだった。 その1 原作とはまた違う、テレビドラマの良さ 当時は賛否両論あったようだけれど、あまり原作にとらわれずに鑑賞するのがよいのでは。 時間も場所も人間関係も設定を変えてあるし、原作とは別な作品と思ったほうがいい。 けれど題名も原作と同じなのだから、簡単に比較してみると。 原作では、チャーリィとアリスの間に恋のライバルはない→ドラマでは、エリナは晴彦とカップルで、ハルはエリナのことを最後は晴彦に託す。 原作では、チャーリィには性に関する罪悪感が根強くある→ドラマでは、性的なコンプレックスはあまり取り上げられていない。 原作のラストでは、知能が元に戻ってゆくチャーリィの、誰にも迷惑かけたくないというような悲壮な感じの遺書的な覚悟が前面に出ている→ドラマでは、その段階を通過した後に通り越し、最終話では更に「原作の続き」が描かれて、ついに母親がハルを受け入れる。(この「続き」を蛇足だと感じる人もいると思う) その他細かく書けば違いが諸々あるけれど。 ドラマは、原作という素材の中から、ある特定のテーマをクローズアップして、独自の物語に仕上げている。これはこれで私は好きなのだ。 この脚本では、あらゆる登場人物が、最後は結局ほとんど善人になっていく。これは好き嫌いが分かれるところだと思う。でも私はこれが好きなのだ。 ここまで周りの人間たちを優しくしたのは、つまるところ「ハル」という人間の人間性が、そうさせたのだと思う。 ハルが人を許すから、周囲もハルに感化されて幸せになっていったと考えられる。 このドラマは「アルジャーノンに花束を」の一見ありえないような設定を借りて、一人の人間の成長&周りの人間の成長を書きたかったのかもしれない。 -
|
|