月に舞う桜

前日目次翌日


2021年01月02日(土) 【本】綾屋紗月編著『ソーシャル・マジョリティ研究』

綾屋紗月編著『ソーシャル・マジョリティ研究』(金子書房)読了。

コミュニケーションにおける多数者(ここでは定型発達者のこと)が暗黙のうちに共有している会話のルールや感情の仕組みなどを、各分野の専門家が紐解いている。
コミュニケーションという意味においては、私は多数者側だが、無自覚のルールをこうして明確に言語化されると「なるほど、そうだな」と頷くことが多く、学ぶことも多い。
多数者は、自分が日々おこなっていることを「当たり前」と思い込んでいるので、なぜ?と聞かれても自分でもきちんと説明できない。そうして無意識・無自覚でいられることは、多数者の特権だ。
あと、コミュニケーションは、心理的な側面よりも手前の身体的特性によっておこなわれ、身体特性によってコミュニケーションの仕方が変わってくるのだということが、この本を読むとよく分かる。
人の気持ち、発話や聞き取りの身体的メカニズム、会話のルール……など章に分かれているので、興味のある分野の章から読むのも良し。


桜井弓月 |TwitterFacebook


My追加

© 2005 Sakurai Yuzuki