月に舞う桜
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2020年06月20日(土) |
友人たちとの絶対的な隔たり |
私には数人の友人と、それより少ない親友がいる。皆、気の置けない関係だ。 でも、もしかすると私は誰にも――数少ない親友にさえ――本当には心を開いていないのではないかと思うことがある。
私と友人たちとでは見えている世界がまったく違い、絶対的な隔たりがある。ときどき、そう感じる。 ひとりひとりが他者なのだから、見えている世界が違うのは当たり前のことだし、私が悪いわけでも友人が悪いわけでもない。 けれど、あまりにも見えているものが違うと、いったいこれはどういうわけだろうかと考えてしまう。 そうして考えてみて、この隔たりは私が本当の意味では心を開いてこなかったからではないか、私の世界を伝えてこなかったからではないか、と思えてくる。 この世が生きづらく、構造的な差別に溢れているということ。一歩外に出るために、あらゆることを想定して準備しなければならないこと。将来に対して不安ばかりが増していること。“新しい時代”とやらが、格差や差別や生きづらさを是正するものではなく、むしろ今まで以上に私を置き去りにする仕様となるのではないかという懸念があること。 そういったことを、まったく伝えてこなかった。 私は強がりで、見栄っ張りだから、何でもないふうを装って生きてきた。 いま、そのつけがきているのかもしれない。 でも、弱さをさらけ出しては生きてこれなかった。
隔たり、そして寂しさ。
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