月に舞う桜
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昨日は、一番長い付き合いの友人二人と、忘年会ランチだった。 久しぶりに会うから、時間無制限のビュッフェに。
変わっていく環境と、変われない私と。 変わらない関係と、変わってしまう私と。
例えば、ちょうど二十歳のとき、2000年-2001年の年越しを共に過ごしたことを思い出して語れるのは、幸福なことだ。 若くて程よくアホだった私たちは、21世紀の初日の出をランドマークタワーの展望フロアから観るために、何もなくて寒い通路で夜通し喋りながら夜明けを……21世紀になるのを待った。 何でわざわざ年越しにあんなところまで行ったんだろうね。日の出なんて、いつどこで見ても同じなのにね。若かったね。今だったら絶対あんなことしないよね。 そんなことを笑いながら話した。
戻れず、留まることもできず、だから進むしかない日々。 けれど、停滞し、後退すらしていく私。 それでも、あの日々を思い出せることは人生の宝で、今これを書きながら、比喩じゃなく本当に泣けてくるほど愛しい。
少しずつ少しずつ、いろんなことが語れなくなるのは、なぜだろう。
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