月に舞う桜

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2019年06月19日(水) 遺書(2019年版)

遺言は15歳から有効ということをずいぶん前に知ったときから、毎年誕生日に遺書を書いてみるのもいいかもなと思っていた。思うだけで一度も書いたことがなかったけれど、今年、初めて書いてみる。
(もちろん、ここに書く遺書は法的な効力があるものではないけれど。)

遺書……というか、遺言状で一番重要なのは、たぶんお金のことだろう。だから、お金のことから。

私が死んだとき、預貯金がどれくらい残っているかは分からない。私には配偶者も子どももいないので、預貯金がいくらだとしても、全額をどこかに寄付したい。
具体的に寄付先を決めているわけではない(決めているとしても、ここには書かないが)。

ただ、

・カルトを脱会した人を支援する何か
・障害児を支援する何か

こういう取り組みをおこなっている団体に寄付したいなと、漠然と考えている。
ただし、団体によっては、支援を装ってむしろ被支援者に加害したり搾取したりするところもあるかと思うので、寄付先の選定にあたっては慎重に見極めてほしい(←自分で寄付先を決めとけよ!)。
「障がい者」という表記や、「チャレンジド」「障害は個性」という言葉を使う団体には、あまり寄付したくない。

続いて、葬儀諸々について。
葬儀は絶対に無宗教でお願いします。
葬儀では、Toshlバージョンの『ひこうき雲』を流してください(カバーアルバム『IM A SINGER』に収録されてます)。まあ、空に憧れてはいないんだけど。
棺には、Toshlとのツーショット写真2枚と、2016年にToshlからもらった直筆ハガキを入れてください。そのほか、一緒に処分したいものは入れて燃やしてくれて構いません。

心残りなこと。
極力お金や物を借りない、借りたとしてもすぐ返すを信条に生きてきましたが、万が一、私に貸したものが返ってきていない方がいましたら(ライブチケット代を立て替えたとかね)、私の親が生きているうちは遠慮なく親に請求してください。親も亡くなっている場合は、申し訳ありませんが、香典と思って諦めてください。

愛する人へ。大好きな人たちへ。
私は、あなたがいたから生きてこられました。あなたが一緒にいてくれたこと、私を必要としてくれたこと、あなたの言葉や行動や眼差しに、どれほど救われ、希望をもらい、生かされてきたことか。
どんなに感謝しても、しきれません。
あなたは私の死を悲しみ、私の死後も私を覚えていてくれるかもしれません。それはとてもありがたいことですが、そんなに悲しまなくたって、私を忘れてくれたって、ちっとも構わないんだよ。
あなたが遠い将来、いつか天に召される日まで、幸せに、自由に、楽しく生きていてください。

5月のToshlのディナーショーの帰り、「いま急な心臓発作でバタッと死ねたら幸せだなあ」と思った。Toshlのライブの帰り道ではいつも思うこと。
とてもとても楽しいことや嬉しいことや美味しいものを味わって心満たされているとき、コンセントからプラグを引き抜くように死ぬことができたら、本望です。
だから、もし私が急に死んでしまっても、それが私にとって楽しいことや嬉しいことや美味しい食事のあとだったら、「あいつは幸せだったんだな」と、むしろ喜んでやってください。

それから、みなさん、どうかこの社会の様々な問題や、差別の構造や、マジョリティであることの特権を知ってください。差別の多くは、「善人」「善意の人」が行うものです。どうか、誰もが無意識に誰かに加害してしまう可能性があることを知り、人権意識を高く持っていてください。誰かを、排除しないでください。
私からの、最後にして最大のお願いです。

私を傷つけた人へ。
あなたに、真っ赤な薔薇を贈ります。それが棘を切り落とした美しいだけの花なのか、毒を染み込ませた棘付きの薔薇なのかは、手に取ってからのお楽しみ。

2019年6月19日


桜井弓月 |HomeMail


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