月に舞う桜

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2015年05月02日(土) 私にとっての真実

少し前、同僚に訊かれた。
「幽霊と宇宙人、どっちを信じる?」
即答した。
「しいて言えば、宇宙人かな。幽霊は、信じてない」

私は、幽霊とか、魂とか、信じてないんだ。
その鼓動が止まったら、人間はただの肉体になる。
荼毘に付されたら、骨と灰になる。それで、終わり。
お墓に手を合わせたって、そこには誰もいないでしょう?


でもね、貴方はいるんだ。
科学的なことなんてどうでもいい。
信じてるんじゃない。そう感じているだけ。
「魂」とか「想い」とか、どんな言葉だっていいけど、貴方はいつだって、近くにも遠くにも、きっとどこにだっている。

それが、私にとっての真実。

春の晴れた日に風が吹いて新緑がざわめいたら、貴方が自前のロケットに乗って高速で飛んでるんだなって思う。

そう思うのは、貴方のためじゃないよ。私のためだ。生きていく私のため。
ごめんね、すべては生き続ける人間のためなんだよ。
逝ってしまった貴方には、もう何もしてあげられない。

貴方のギターも声も、ずっとずっと聴こえているよ。
想いを乗せて。

貴方が共に生きたヴォーカリストが、本当の意味で帰ってきたよ。
いろいろなものと、何より自分自身と戦って、澄んだ歌声で戻ってきたよ。
3日前にね、彼に会ってきたの。
もう心配いらないなって思える曇りのない表情で、前を向いて立っていたよ。
ずっとついてきてほしいって言うから、私たちはついて行くことにしたよ。

彼が重い苦悩の中にあって立ち尽くしたとき、「パーッと、パーッと!」って背を押してくれて、ありがとうね。
彼が道を誤ったとき、叱ってくれて、ありがとうね。
そして、彼が自分の道を取り戻すまで見守ってくれて、ありがとうね。

貴方を逝かせてしまったことを、彼は悔いているよ。
誰のせいでもないって、笑い飛ばしてあげてよ。

生きていてくれたらな。
貴方が生きていたら、彼は謝る機会を持てたのに。
「今までたくさん迷惑かけてごめん」って、「心配かけてごめん」って、彼に面と向かって謝らせてあげてほしかったよ。


もう誰も、貴方のところへ呼ばないで。
長い年月を経て、貴方に逢いに行くまでは。

forever love for pink spider


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