月に舞う桜
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一年間も日記を放置していた。 特別忙しかったわけでも体調を崩していたわけでもなく、気が付くと一年が経っていた。
まず、今年一番のニュースと言えば、転職したことだ。 ええ、転職しましたとも! 明日12月31日付で今まで勤めていた会社を退職し、来年から新しい職場で働くことになった。
使えない出向社員ばかり来る。 長期的な視点がなく計画が甘いために、大きな業務体制変更時にありえないトラブルがいくつも起きて、対策が後手後手に回る、もしくは何ら対策を打とうとしない。そして、その苦い経験から何ら学ぼうとしない。 その結果、末端オペレーターに多大な負担を強いる。まあ、百歩譲って社員に負担を強いるのは仕方ないとしても、お客様にも大きな迷惑をかける。 話がかみ合わず、部下の動かし方を知らない上司。 社員を、法定雇用率を達成するための駒くらいにしか思っていない(そんなことはないと言うだろうけれど、そう見えてしまう)会社のあり方。
その他諸々、嫌気がさして、「私、ここにいても意味ないなあ。希望が持てないなあ」と思い、辞めてみた。
今までの職場は先週金曜日が最後の出社で、今週一週間は有休を使って休んだ。それでも、有休を30日半も捨てることになってしまった。あぁ、もったいない。 ボーナスをもらってから辞めるために今年いっぱいで退職ということにしたのだが、有休の残り日数を考えると、出社は11月中旬まででもよかった。 でも、仕事の都合上、12月の途中までは何となく行かざるを得なくなってしまった。会社に強制されたのではなく、私自身の判断だけど。 会社に嫌気がさしたとは言え、一緒に仕事している仲間や、育成している新入社員に罪はないので、自分ができることは精いっぱいやって去ろうと思ったのだ。
新しい職場の採用面接のとき、「勤務できるのはどんなに早くても来年の1月からです」と伝えたところ、1月入社になった。もう少し引っ張れば、引っ張れたんだろうか。 何なら4月入社にしてもらって、3ヶ月間はぼーっと暮らしていても良かったんだけど。 ま、いっか。そうしたら、3ヶ月間の国保料とか払わなきゃいけないし、いろいろ手続きが面倒だし、何より、3ヶ月も自堕落な生活をしたら働く気が失せるかもしれないし。
今までの職場は、6年9ヶ月勤めたことになる。 会社には本当にもう嫌気がさして仕方なかったけれど、共に働く仲間には恵まれたなぁと感謝している。 正直、家から近いという理由だけで入社を決めたし、オペレーターなんて言うストレスの溜まる仕事が自分に務まるとは思っていなかったので、そんなに長続きするとは予想していなかった。 入社当初、とりあえず1年は頑張ろうと思っていた私が6年9ヶ月やってこられたのは、仲間の支えがあったからこそだ。
退職のとき、温かく素敵な送別会をやってもらえた。 同僚からのメッセージ、私の好きな色の花束、一緒に撮った数々の写真、あれこれ考えてくれたであろう贈り物。 その気持ちが、嬉しかった。 それに、心のこもった送別会をやってもらえたのは、私なりにこの職場で精いっぱい仕事をし、一定の何かを残せたことの結果なのではないかと、少しうぬぼれてもいる。 そのうぬぼれは、次の職場へ行くときの自信にもつながっている。
今までの職場は、徒歩圏内だった。 次の職場は、約9年ぶりの電車通勤だ。 次もやはり特例子会社だけど、業種も職種も今までとは全く違う。 仕事内容や待遇面はある程度把握しているけれど、人間関係は入ってみないとわからない。 私は、人見知りをするたちで、新しい環境に飛び込むことや初対面の人と積極的に話すことが苦手だ。
それでも、なぜか不思議と不安はあまりない。 職種が違うと言っても、これまでやってきたことは必ず役立つはずだと確信がある。 それに、これまでは自宅からの距離や物理的にバリアフリーかどうかで就職先を決めてきた私が、初めて仕事内容で選んだ会社だ。 だから、絶対、大丈夫。
6年9ヵ月間、いい仕事したよ、私。 そして、これからも、きっとね。
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