月に舞う桜

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2011年05月29日(日) 救世主

先週は、「仕事してる場合じゃない!」と思うような、晴れて気持ちの良い日が続いていた。
今週は打って変わって、どんより曇りか、しとしと雨の毎日だった。それはそれで、会社に行きたくなくなる。

仕事が忙しい。これまでに例を見ないほど、忙しい。
単純に忙しいだけならまだしも、こちらの神経を逆なでするような数々の発言や曖昧な指示にはうんざりだ。

実際に何らかのサービスを「生産」しているのは私たちだ。
上層部は、「生産者」ではない。

生産要員ではない人たちにいったいどんな存在意義があるのかと言えば、「生産要員が持つ力を最大限に発揮できるような環境や仕組みを作ること」である。
これは私のオリジナルな考えではなくて、インストラクター研修のときに講師に言われた言葉だ。
私は、この言葉にものすごく納得できた。
私は生産要員でありつつ、他方で新入社員のインストラクターという非生産要員でもある。だから、上記の存在意義を肝に銘じている。
新人研修中、私は直接何かを「生産」しているわけではない。これから生産要員となる新人さんたちが、安心して働けるよう、思う存分自分の力を発揮してより良いサービスを生み出せるように、指導、サポート、コーチング、環境整備をしていくことが、私の役目だ。その役目を果たすことができなければ、インストラクターとしての私の存在価値はない。

しかし、自分の存在意義を分かっていない、または勘違いしている輩が非常に多い。
分かっていないから、現場を混乱させ苛立たせるような発言がしゃあしゃあとできるのだ。
「いまのままじゃ、ここでのお前の存在価値はゼロだよ」と言ってやりたいが、さすがに私もそこまでは言えないし、言っても理解しないだろうから労力が無駄である。


そんな日々の中で、救世主のように、ふいにToshIの歌声がテレビから聞こえてくる。
映画「ブッダ」のCMで、主題歌「Scarlet Love Song」が流れるのだ。

会いたいなあ、と思う。
もうずいぶん長いこと、会いに行っていない。
私は恋とXJAPANを両立できないんじゃないか、と思うことがある。
恋をして、ウキウキしたり思い悩んだり失恋したり傷ついて泣いたりしている間に、1月のToshIのディナーショーも3月のYOSHIKI主導のファッションショーも、先月のToshIのチャリティーコンサートも、行かなかった。
決してどうでもよいわけじゃないけれど、行こうとすら思わなかった。

いま無性に会いたいのは、恋をしていなくて、ある意味暇だからなんだろうか。
でも、ライブやってほしいと願う一方で、サマソニは早々と「行かない」って決めてるしなあ。

先日、ライブは「聴きに行く」のか「(恰好良い姿を)観に行く」のかという話になって、ある同僚が「桜井さんはXを観に行ってるの?」と聞いた。
私は「Xのライブは、観に行くんじゃなくて体感しに行くんだよ」と答えた。
それは深く考えず直感で言った言葉だったけれど、我ながら「体感しに行く」はズバッと的を射ていると思う。

だけど、X全体じゃなくてToshI個人を思い浮かべると、まっさきに「会いたい」という言葉が出る。「声が聴きたい」とか「体感したい」とかよりも、「会いたい」。


そうは言っても、いま一番狙っているのは、9月に日産スタジアムで行われるミスチルのライブだ。
行きたいなあ。行きたいよー。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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