月に舞う桜
前日|目次|翌日
職場の席は、窓の外が見づらい。かろうじて見える窓も、隣の会社の外階段に景色の大部分を塞がれている。 空は、外階段の隙間からわずかにのぞく程度だ。 昨日、その狭い狭い空が見惚れるくらい青く澄んでいて、「今日ってこんなに晴れてたんだ……」と思いながら眺めていた。 でも、あまりに狭い空だから、とても遠く、別世界のように感じた。
いや、別世界にいるのは私かもしれない。青空と切り離されて、抜け出せない部屋に閉じ込められているのかも。 一日中ひたすら電話を受けていると、そんな気分になってくるんだ。
今日は、朝からBLUE BLOODが頭の中に流れて止まらない。 「なみだ〜に とぉける〜 あぁおいーちを〜」ってね。
|