会社を出てすぐに見上げた空には、無数のひつじ雲が浮かんでいた。ちぎった綿あめを並べたような、絵本の中みたいな空だった。家に帰る途中、あっと言う間に空は暗くなり、絵本の世界は終わってしまったけれど。空を見上げるのが好きだ。空を見上げているときの自分も。ちなみに、私はひつじ雲とうろこ雲の違いが分からない。もしかすると、今日見た雲はうろこ雲だったのかもしれない。
© 2005 Sakurai Yuzuki