月に舞う桜
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2006年01月16日(月) |
伝わる言葉を持つあなたのように |
手紙やハガキをしまっている箱がいっぱいになったので、整理した。 今年の年賀状だけを箱に残し、あとは少し大きめの缶(ヨックモックの缶だったりする)に移す。 手紙を整理していると、どうしても一通一通読み返してしまう。 いろいろな人が、それぞれの言葉でいろいろなことを伝えてくれていた。 中でも群を抜いて印象的だったのが、親友からの一枚のハガキ。 郵送ではなく手渡しでくれたものなので消印はなく、いつ貰ったのかはっきりとは分からない。けれども、文面から察するに、「私が本当はかなり疲れているのにそれに気づいておらず、でもそこはかとなく精神的に参っていた頃」だろうと思う。 そこに綴られた言葉は、飾り気がなく、決して押し付けがましくなく、だからこそ友情や愛情がやさしく満ちていた。彼女の気持ちが何も捻じ曲げられずに澄んだまま心の深いところまで流れてきて、私は心底感動し、感謝した。 彼女は昔から、ここぞと言うときに、伝わる言葉をくれる人だ。どうしたら、こんなことが言えるんだろう、と驚くほど。 肝心なときにきちんと伝わるかどうか。突き詰めると、それが言葉の全てだ。そして、どんなに饒舌でボキャブラリーが豊富でも、相手に向けて「どうしても伝えたい」という強い気持ちがなければ、言葉は伝わらない。 だから、彼女が私に対して「伝わる言葉」を発信してくれることは本当にありがたいと思う。 私は、彼女のように誰かに言葉を尽くしてただ純粋に心を伝えているだろうか。物書きであるとかそんなこととは関係なく、一人の人間として。
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