永遠の半神...楢原笙子

 

 

羊水#1 - 2005年12月18日(日)

19歳のとき。
5つ年上のひとと知り合った。
ドライブに誘われて、初めてのデイト。
たぶん
特に目的地なんてなかった。
お互い少し緊張し、うまく会話しようと気を遣いながら、
狭い車内での時間を過ごした。

高速を降りてどこをどう走ったのか、
稲刈りの終わった田んぼばかりを眺めて、
ようやく車が停まったときほっとした。

辺りはなんだったか旧跡を中心に、
自然の地形を生かした公園になっていた。
背の高い木々は半分以上葉を落として、
周囲には人影もない寒々とした場所だった。
それでも、車外へ出た開放感で少しはしゃぎ、
ふたり並んで歩き出した。

ぱりりぱりり
落ち葉を踏みながら林を抜け、
その先の芝生の陽だまりを目指した。
真ん中には大きな岩がごろごろあって、
近づくとそこは水がほとんど涸れた池だった。

岩の間を戯れながら、
微妙に近づきそうで近づかない雰囲気を感じていた。
誘われたけれど、
彼がいったいわたしにどんな印象を持っているのか、
好き
未満の
意識し合う彼とわたしは
たぐり寄せる糸口を探り合っていた。

けれどそんな時だのに、
じんわり押し寄せてくる尿意があった。
いつどんな風にそれを告げたらいいのか、
バカみたいに迷いながら切り出せずにいた。







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