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初めて会ったのは3月だった。
気がつけばもう何年もの月日が流れていて わたしも彼も、確実に年を重ねている。
お互いに色んなことがあって この日本という国にも大きな大きな出来事があって それでも彼とわたしの距離は変わらずにいる。
当初の燃えるような (…なんて書くのもちょっと恥ずかしいけれど(笑))想いは 静かな熾のようなものに変わったと思う。 時々燃え上がりふたたび静かに炎を奥にたたえる。
彼は相変わらず忙しく …この年代の人はもう少し落ち着くものではなかろうかとも思うけれど 忙しいのは彼にとっては喜ばしく良いことなのだろうと わたしは一歩引いてそれを遠目に眺めている。
昔のように何も考えずどこにでも行けたら良いのに、 と、ふと思う。
それでも、 どんなに忙しくても、顔を合わせて楽しく過ごせて いまのわたしは幸せ。
もう少しゆっくりの時間が欲しいけど。
あの日から、1年。 この国には自分のことしか考えていない人が こんなにもたくさんいたのか、と最近ちょっと思う。
人の考え方はたしかにそれぞれだけれど こんなにも大変な状況の中で苦しんでいる人がいるのに もっと…想いを寄せることはできないのかと。
自分にできることはなんだろう、と。 考える。
菜々
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