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イノチの温もり


朝起きたら。
すもも、の様子がおかしい。
明らかに変な呼吸をしている。
外へ出ないすもも、は。
連れ出すだけでストレスになってしまうので。
病院を、と思いながら、しばらくハラハラと心配。
けれど、アタシの中でこれは絶対におかしい、と。



駆け込んだ病院で、人工呼吸。
危なかった。
あと一時間遅かったら、本当に危なかった。



心臓弁膜症。
心臓が肥大し過ぎて、肺を圧迫して肺水腫。
ICUに緊急入院。
どんなに手を尽くしてもただ時を長引かせるだけの治療だったら。
諦めます。
と。
それがいいと、そのほうがいいと思ったのだけれど。
一日ICUに入院して、持ち直せば、とてもいい心臓薬があるから、と先生。
その言葉にかけて、眠れぬ夜を過ごした。


すもも、は。
一時危ない状態に陥ったけれど、薬が劇的に効いてくれて。
一命を取り止めた。
満14歳。
若くはない、てかおばあちゃん。
薬さえ飲むことができれば、年単位で生きられるとのこと。
心臓の薬はとても高くて。
年金暮らしのアタシにはとてもとてもシンドイのだけれど。
すももの命には代えられない。


退院して家でくつろぐすもも。
そっと抱っこすると、トクトクと鳴るイノチ。
少し暖かい体温と、濡れた鼻。
自分の決断を褒めてあげたい。
本当に良かった。


今は離れて暮らす家族も心配して。
帰ってこいの大合唱。
その中には元相方さまの声もあり。
もしかしたら。
もしかしたら。
すももの具合次第で。
また家族に帰るかもしれない。


今後、この病気が治ることはない。
ずっと抱えていくことになる。
隣に眠るすももを眺めつつ。
この娘が一番喜ぶ決断をしたいと思う。




2016年07月02日(土)




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